【ニューヨーク時事】トランプ米大統領は23日、ニューヨークで開かれている国連総会で一般討論演説を行った。国連が「本来解決すべき問題を放置しているだけでなく、新たな問題を作り出している」と主張し、国連批判を繰り返した。国連が創設80年の節目を迎える中、国際社会での役割に疑問を投げ掛けた。
 トランプ氏の国連演説は2期目で初。国際協調を進めたバイデン前大統領時代から路線転換し、国際機関や同盟関係を軽視する姿勢を改めて示した。
 トランプ氏は演説で、タイとカンボジアなど各地の紛争終結を自らの功績だと誇示する一方、「国連は支援を試みることすらしなかった。国連の代わりに私がやらなければならなかったのは残念だ」とやゆした。また、「国連は西側諸国の国境への攻撃を資金支援している」として、国連の移民支援が不法移民を助長していると訴えた。
 イスラエルの軍事作戦で人道危機が深刻化するパレスチナ自治区ガザを巡っては、「戦闘をすぐに止めなければならない」と呼び掛けた。しかし、英仏などによるパレスチナの国家承認は、イスラム組織ハマスへの「大きすぎる報酬だ」と反発した。
 停戦協議が停滞するロシアのウクライナ侵攻に関しては、ロシアに対する追加制裁を示唆。中国やインドに加え、北大西洋条約機構(NATO)加盟国もロシア産の石油を購入しているとして、「恥ずべき行為だ。ロシアからのエネルギー購入を直ちに全て停止しなければならない」と欧州に批判の矛先を向けた。 
〔写真説明〕23日、米ニューヨークで開かれた国連総会の一般討論演説に登壇したトランプ大統領(ロイター時事)
〔写真説明〕23日、ニューヨークで開かれた国連総会で一般討論演説に臨むトランプ米大統領(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)