川崎市高津区の東急電鉄田園都市線梶が谷駅で起きた列車同士の衝突脱線事故を受け、同社は7日、東京都内で記者会見を開いた。同駅の信号設定の不備で、自動列車制御装置(ATC)がホームに進入してきた上り列車に対して赤信号を出していなかったと明らかにした。
 設定の不備は10年前から続いていたといい、福田誠一社長は「多くのお客さまにご迷惑、ご心配をおかけし、深くおわび申し上げる」と謝罪。再発防止策を徹底すると述べた。
 事故は5日午後11時すぎに発生。ホーム近くの引き込み線で、回送列車が所定位置より手前に停止したため、本線にはみ出した1号車が上り列車と衝突し、脱線した。けが人はなかった。
 同社によると、回送列車の走行中に速度超過で自動ブレーキがかかり、所定位置から約23メートル手前で停止した。一方、上り列車は青信号に従ってホームに進入。回送列車に気付いた運転士が非常ブレーキをかけたが、間に合わず衝突した。
 同駅の線路改修を行った2015年以降、信号条件の設定に不備があり不十分だったといい、同社は詳しい原因を調べる。
 この事故により、田園都市線などは一部区間で6日始発から7日午前0時まで運休し、約65万人が影響を受けた。 
〔写真説明〕田園都市線梶が谷駅で起きた衝突脱線事故を受け、記者会見で頭を下げる東急電鉄の福田誠一社長(右)ら=7日午後、東京・霞が関

(ニュース提供元:時事通信社)