国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ、本部ワシントン)は23日、ロシアが核ミサイルを搭載する原子力潜水艦の防衛目的で、西側諸国の技術や機材を秘密裏に取得していたとの調査結果を公表した。欧州連合(EU)加盟国キプロスに置いた民間企業を通じてNEC製の海底通信ケーブルを購入し、軍事転用した疑いがあるという。
 キプロスの企業は「モストレロ・コマーシャル」。ロシア国防省に近いとみられている。同国によるウクライナ侵攻前から約10年間にわたって西側諸国との取引を手掛け、米国製ソナーなども入手していた。
 ロシアは北極圏バレンツ海に半円状に広がる「ハーモニー」と呼ばれる海中監視システムを構築。海底センサーで米国の潜水艦が侵入しないかを見張り、原潜による核ミサイル発射態勢を脅かされないようにする狙いがあるとされる。 
〔写真説明〕停泊するロシア原子力潜水艦「ウラジーミル・モノマフ」=2021年10月、カムチャツカ半島ビリュチンスク

(ニュース提供元:時事通信社)