【バンコク時事】タイ軍は8日、カンボジア軍による攻撃の報復措置として、同国プレアビヒア州などの対タイ国境付近のカンボジア軍陣地を空爆した。タイ軍によるカンボジアへの空爆はトランプ米大統領が仲介した10月の和平合意後初めてで、国境紛争が再燃・拡大する恐れもある。
 タイ陸軍によると、カンボジア軍が8日朝、タイ東北部ウボンラチャタニ県の対カンボジア国境付近を攻撃、タイ軍兵士1人が死亡し、8人が負傷した。タイ側は衝突がエスカレートした場合に備えて、カンボジアと国境を接するタイ東北部4県の住民に避難勧告を出した。
 これに対し、カンボジア国防省は同日、「(タイが)意図的に衝突を誘発しようとしている」と非難。さらにカンボジア軍は反撃を自制していると述べ、東南アジア諸国連合(ASEAN)の監視団に今回の衝突の原因調査を求める方針を明らかにした。 
〔写真説明〕7日、カンボジアとの国境に近い東北部シーサケート県で負傷し、搬送されるタイ軍兵士(同国軍提供)(EPA時事)
〔写真説明〕8日、タイ軍の空爆を受けたカンボジア北部プレアビヒア州で上がる煙(SNSの動画より)(ロイター時事)

(ニュース提供元:時事通信社)