2019/01/08
防災・危機管理ニュース
Q3:オブジェクト・ストレージというサービスはいつ頃からあるのでしょうか?
D:「オブジェクト・ストレージ」の考え方は1990年代からありましたが、ネットアップでは、2001年にこの「オブジェクト・ストレージサービス」事業を立ち上げ、厳格なデータ運用が求められる医療・行政・軍事分野で利用されていました。米国では2003年に医療機関に対して医療情報のプライバシー保護やセキュリティ確保を定めた法律「HIPAA(Health Insurance Portability and Accountability Act)」が施行され、この規格に準拠するサービスとして需要が大きく広がりました。
2010年頃になると、アマゾン・グーグル・マイクロソフトのような超大規模なクラウドベンダーが現れ、彼らがデータ管理手法として「オブジェクト・ストレージ」を採用したことで、一気に知られるようになりました。現在では、「オブジェクト」という共通の単位でクラウドとオンプレミスのデータ管理を連携させた「ハイブリッドクラウド」が普及しています。
Q4:現時点では、オブジェクト・ストレージはどのような企業が採用しているでしょう?
D:かつては、厳格なデータ運用が求められる医療・行政・軍事分野で利用されていましたが、 最近急速に採用が増えているのは、自動車産業、行政や研究機関、放送・映像メディアの分野です。どの企業にも共通するのは、自然災害など外部要因で起こるリスクを軽減させ、誤操作や喪失など内部要因で起こるリスクを保護し、サイバーセキュリティを高める、ということです。
また今後はあらゆる業界で、「過去の業務データが溜まって数百TBになった」「業務改革でこれまで支店・部署ごとにサイロ化した業務データを全社で一元的に管理・活用したい」「IoT機器のログを分析して業務効率化やマーケティングに生かしたい」といった企業が多くなれば、「オブジェクト・ストレージ」のニーズはますます高まっていくと予想しています。
Q5:今後、データ管理の方法として、オンプレミスとクラウドをどのように使い分けていくのがよいと考えていますか?
D:業務データの管理手法として、オンプレミスとクラウドどちらにも特徴があり、どちらか一方を選択することではなく、使い分けていくことが主流です。一般的にはオンプレミスではより高パフォーマンスで高信頼なシステムを構築でき、クラウドにすれば安価で柔軟に利用することが可能です。
かつてはパブリッククラウドに、セキュリティやコンプライアンスの懸念を感じて、重要なデータを移行することに抵抗を持つ企業もありました。またクラウドは利用ごとにコストが発生するため、使い方によってはコスト高になってしまう場合もあります。
ネットアップは、オンプレミスのインフラとパブリッククラウド・プライベートクラウドの双方のメリットを得られる「ハイブリッドクラウド」の環境構築を推奨しています。これこそが最も良いデータ管理の環境ではないかと考えています。
Q6:具体的にハイブリッドクラウドはどのように活用するのでしょう?
D:オンプレミスの「オブジェクト・ストレージ」とアマゾンのクラウドサービス「Simple Storage Service(以下S3)」が連携できれば、様々なアプリが利用できます。
例えばオンプレミスのストレージグリッドに格納された顔写真を、イメージ分析サービスである「Amazon Rekognition」と連携させることで、「男性」「メガネ」「中年」「恰幅(かっぷく)がよい」などの解釈をオブジェクトのメタデータとして追加することも可能です。オンプレミスとクラウドによる自動のワークフローを構築できることになります。同じくS3の全文検索エンジン「Elasticsearch」もクラウド・オンプレミスの境界なく両方で使うことができます。
つまり機密性の高い顧客名簿や営業計画書などのデータは、オンプレミスに置き、クラウド側のアプリケーションにデータを渡して処理した上で、オンプレミスのサーバーに加工したデータを戻せば、高いセキュリティを維持しながら、クラウドサービスのメリットを享受できるのです。
そのほか頻繁に参照・加工する使用頻度が高いデータは、レスポンスや管理性を重視してオンプレミスに置きは、使用頻度が低いデータは安価にクラウドに保存する、などと使い分ける工夫が可能です。
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