敗戦国日本を襲った大地震・福井地震から70年~震度7(激震)が加わった日~
空襲による焦土に追い打ち~死者3769人、全壊3万4000棟~

高崎 哲郎
1948年、栃木県生まれ、NHK政治記者などを経て帝京大学教授(マスコミ論、時事英語)となる。この間、自然災害(水害・土石流・津波など)のノンフィクションや人物評伝等を刊行、著作数は30冊にのぼる。うち3冊が英訳された。東工大、東北大などの非常勤講師を務め、明治期以降の優れた土木技師の人生哲学を講義し、各地で講演を行う。現在は著述に専念。
2018/10/15
安心、それが最大の敵だ
高崎 哲郎
1948年、栃木県生まれ、NHK政治記者などを経て帝京大学教授(マスコミ論、時事英語)となる。この間、自然災害(水害・土石流・津波など)のノンフィクションや人物評伝等を刊行、著作数は30冊にのぼる。うち3冊が英訳された。東工大、東北大などの非常勤講師を務め、明治期以降の優れた土木技師の人生哲学を講義し、各地で講演を行う。現在は著述に専念。
東京都千代田区平河町という都心にすっくと立つ日本都市センター会館。その8階に防災専門図書館がある。「防災・災害に関する唯一の専門図書館」をかかげる同図書館は、1956年に開設、蔵書約16万冊を誇る。災害関連の貴重な古文書も少なくない。(公社)全国市有物件災害共済会が運営し、年間約1700人の来館がある。
■防災専門図書館のURL
https://www.city-net.or.jp/library/
目下、企画展「震度7の連鎖:首都直下地震を考える ~福井地震から70年~」が開催中と聞き出向いてみた。
■震度7の連鎖:首都直下地震を考える ~福井地震から70年~
https://www.city-net.or.jp/library/archives/3265
企画展は、単なる蔵書・資料紹介に留まらず、都道府県別の地震頻度を図化したり、感震ブレーカーのデモ機実演など、災害を身近に感じさせようとする工夫が随所にある。地震の被害や防災対策を分かりやすく工夫して見せている。
参考までに企画展の<プレスリリース>を紹介する。
震度7の連鎖:首都直下地震を考える
~福井地震から70年~
震度7の始まりを知り、これまでの震度7を知る。そして…
防災・災害資料を専門に扱う「防災専門図書館」(東京都千代田区)では、
企画展「震度7の連鎖:首都直下地震を考える~福井地震から70年~」を、
2018年6月20日(水)~12月28日(金)まで開催しています。
▼図書館HP https://www.city-net.or.jp/library/archives/3265
■主旨
70年前の6月28日、福井平野でM7.1の大地震が発生した。この直下型地震によって家屋の倒壊率が90%を超えるなど、あまりの被害の大きさから「震度7」が創設された。
「震度7」はその後、阪神・淡路大震災で初めて適用され、以後、新潟県中越地震、東日本大震災、熊本地震で観測された。本企画展では、各地震の地域特性と被害状況(火災・土砂災害等)との関係を中心に展示し、都市型災害となる首都直下地震への備えを考える契機とする。
■福井地震[M7.1]:1948年6月28日17:13(当時は夏時間のため16:13)発生。
明瞭な断層は地表には現れなかったが、福井平野東縁断層帯西部が活動したとみられている。死者3,769人、家屋の全壊34,000棟。都市部では火災により4,100棟以上が焼失し、地震のわずか3年前の福井空襲と同じような焼け野原が広がった。
■イベントの見所
各地で発生している「震度7」の地震。それぞれの被害が分かる資料を、一堂に会して展示できるのは当館の蔵書ならでは。それ以外にも震度計測や耐震対策などをテーマに、首都直下地震の対応を考えるための資料も展示する。大阪府北部の地震も反映している。
≪見所一例≫・パネル:「震度5以上は何回?都道府県別地震頻度」
・写真:福井地震(GHQ撮影写真)、新潟県中越地震、熊本地震
・映像:福井地震(GHQ撮影)、東日本大震災、熊本地震ほか
・資料:各地震関連資料、首都直下地震関連資料
・感震ブレーカーのデモ体験、家具固定器具などの展示
■開催概要
主催:防災専門図書館
日時:2018年6月20日(水)~12月28日(金)
会場:東京都千代田区平河町2-4-1日本都市センター会館8階入館料:無料
期間中出向いてはいかがだろうか。
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