2026/08/05
防災・危機管理ニュース
【北京時事】中国国務院(政府)が、経済安全保障の対象を「人の移動」にまで広げた。新たな出入国管理規定に、国家戦略上の重要産業や技術を脅かす恐れがあれば、中国国民の出国を制限できる措置を盛り込んだ。外国人の入国管理も強化する。施行は9月15日から。米国とのハイテク覇権争いをにらみ、技術流出への監視を一段と強める狙いだ。
レアアース(希土類)に続いて半導体や人工知能(AI)にも規制の網を広げようとする中国。税関検査や投資審査を通じたモノとカネの統制は今、ヒトの流れにも及ぶ。5月には大連市で輸出入に関する罪に抵触した疑いで日本人2人が拘束された。日中関係が悪化する中、新たな規定の運用がどのように行われるのかは不透明で、日系企業からは「慎重に見極めたい」(商社)との声が上がる。
新規定は、国民の出国禁止条項を拡充した。海外での重大な違法行為や旅券の不正取得に加え、輸出管理や技術移転に関わる法令違反も対象となる。従来は個別案件ごとに対応していたが、経済安保を明確に反映させた。中国企業の海外展開やエンジニアの往来に波及する可能性がある。
外国人の入国禁止条項も厳格化した。貿易戦争をきっかけに導入した「反外国制裁法」に基づく対抗措置の対象者や、「信頼できない企業」リストに掲載された会社に対しては、ビザ(査証)の発行や入国を拒否できる。入国時の虚偽申請や過去の刑事・行政罰も対象となる。
中国当局は最近、ハイテク人材の囲い込みを強めてきた。4月末には中国系AI新興企業「Manus(マナス)」に対する米メタ(旧フェイスブック)の買収を容認しないと発表。その前にマナス創業者らの出国を禁止し、同社を調査していたと報じられた。今回の規定は、こうした流れを制度面で裏付けた形となる。
〔写真説明〕入国審査を通過する人々=2023年3月、中国内モンゴル自治区エレンホト(AFP時事)
(ニュース提供元:時事通信社)

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