熊本県内の被災地での物資置き場の様子。高齢者たちも集まっている(福祉防災コミュニティ協会提供)

7月28日に発生した熊本地震では、福祉施設も大きな影響を受けた。建物の損壊、停電・断水、職員自身の被災、物資不足・・・。そうした中で、熊本県の福祉関係者は、発災直後から施設を回り、情報を集め、物資を届け、人をつなぎ、行政や医療関係者との調整を続けてきた。その中心で活動してきたのが、一般社団法人「熊本県介護福祉士会」会長の石本淳也氏だ。石本氏に、発災直後から現在まで、福祉の現場で何が起き、何が支援を支えたのかを聞いた。

 

ーー今回の地震、どう見ていますか。

私はちょうど、熊本市内で車に乗っていました。そのとき、電柱がぶわっと世揺れ出しました。今回の地震で、熊本県南の被害状況を見ていると、やはり古い建屋ほど、完全に、いわゆるぺちゃんこになっているところがあります。熊本は台風が来るため、昔の家は瓦が重いところが多いのです。そのため、地震になると、どうしても大きな被害につながってしまうのです。

今回動いたのは日奈久断層の割れ残りだと言われていますけど、さらにその割れ残りが八代海の下まで続いています。いくつか残っていますから、もしかすると次は海の方で起きるかもしれない、という話も言われています。そうなると、今度は津波が懸念される、という話になる。ですから、まだ終わったという感じではないのです。

ーー福祉施設では、どのような問題が起きていますか。

大きく三つに分類されると思っています。一つ目は、建物そのものが損壊してしまったところでの問題。二つ目は、建物は何とか使えても、電気や水道などのインフラが止まってしまって運営できないところです。今回は特に暑い時期ですから、電気が止まってエアコンが使えないというのは非常に厳しい。そして三つ目が、職員さん自身が被災して出勤できないという問題です。

物資とインフラで片がつく施設は、もう早々にサービスを再開されています。

ただ、もともと人的なリソースが少ない小さな事業所はまだ厳しさが続いています。最初は何とか自分たちで踏ん張るのですが、それが何日も続いていくと、だんだん限界に近づいてきます。むしろ時間がたってから厳しくなる施設もあるのです。

ーー発災直後は、どのように動かれたのでしょうか。

最初の3日間ぐらいは、とにかく動きました。

物資を運ぶ。情報を集める。支援に入る人たちの拠点を確保する。それから行政との連携体制をつくる。最初はそういうことをずっとやっていました。

現場を回って、私たちが収集してきた情報と、いろんなところから役所に次々と電話で入ってくる情報というのは、少し違いがあったりするのです。

だから、その情報をすり合わせるためのコミュニケーションを、やはり連日とっているんです。災害時は、きれいに整理された情報が集まってくるわけではないのです。

現場から入ってくる生の情報を一つ一つ確認して、「ここは本当に困っているのか」「何が必要なのか」「誰が行けるのか」を、その都度すり合わせながら動いていっています。そういうライブ感のある対応になっています。