鍵屋氏(中央)は福祉と多分野の連携について語った

連携や人材育成など地域の取り組みを

2019年5月21日に行われた、NPO法人全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD)の全国フォーラム分科会「災害時の福祉支援の現状と連携・支援方策」について、後半のディスカッションの概要について報告します。前回は高齢化が進む中、災害が起こると福祉が低下し、最悪の場合は関連死につながる懸念について説明しました。

ディスカッションの最初の質問は「福祉支援の量を増やし質を上げるために、災害現場ではどのような仕組みが必要だろうか。特に地元との関係」です。特に印象に残った議論を紹介します。

〇連携関係
・災害現場では行政、医療、保健、看護、福祉、ボランティアなどそれぞれに膨大な支援者が活動している。そのとき、全体を俯瞰(ふかん)して福祉ニーズや必要な支援内容を的確に把握し、解決できそうな支援者と連携することが極めて大切になる。フリーに動きながら、他の専門職や支援者間をつなげるコーディネータの存在が重要だ。
・福祉の視点を持つチームがいると、専門職だけでなく、インフォーマルなボランティアなど多様な団体との連携が可能になる。
・専門職団体は、組織のミッションで動くために、支援の隙間ができる。その情報を共有してボランティアが隙間支援を行っている。
・例えば被災者に重複したニーズ調査や支援などが行われて被災者に負担が掛かるなど、マイナス効果がある。これを防ぐためには、各団体間の情報共有や連携が必要だ。
・地元に受援団体がいることで、支援団体が積極的に活動できた。

〇要配慮者支援関係
・一般避難所では、教室などの小部屋の活用や、多様な配慮の推進が必要である。
・中程度の要配慮者や、自ら支援を求めない要配慮者もいることから、意識してニーズを把握する必要がある。災害時だからこそ、誰一人取り残さない支援が必要。
・福祉避難所については、多くの一般住民が避難したために要配慮者が避難できなかったり、住民・要配慮者に周知されていないなど課題が大きかった。福祉避難所の在り方をもっと考え、量を増加させ、周知などが必要だ。

〇支援者
・支援の三原則である「被災者中心」「地元主体」「協働」を、全ての支援者が共有することが重要だ。

次の質問は「事前に私たちがしなければならないこと」についてです。

〇連携関係
・協働するためには、災害現場で「初めまして」からでは難しい。平時につながり、一緒にやることが大事。
・福祉関係団体間の連携、医療・保健・看護等の近接領域の連携の場づくり。

〇組織関係
・47都道府県にDWAT(災害派遣福祉チーム)の体制整備が必要。現状で構築済みは28団体で59%。
・チームの組織化を含め、動けるチームを増やし、派遣活動を想定した研修、訓練内容にする。
・都道府県単独ではなく、広域連携への取組を進める。

〇人材育成
・連携を促すことのできるコーディネーターの養成。
・災害初期の福祉的ニーズへの対応ができる層を厚くし、継続的に支援できるために、多くの支援者を養成。
・災害を特別に考えない人づくりを進める。
災害福祉専門委員会準備会のメンバーである桒原英文氏(福祉防災サポートオフィス未來代表)、山本克彦氏(日本福祉大学教授)にもコメントを求めました。
・災害時でも人間の尊厳を守る、を基本に据える。
・多様なチームで支援する。
・財源の確保を進める。
・医療、保健モデルでない福祉生活モデルを構築する。
・大学生を支援の場に送り込む。
・大学は被災地では重要な資源になる。

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