2019/07/05
アウトドア防災ガイド あんどうりすの『防災・減災りす便り』
左足が大事なフルブレーキ
では、どうすればよかったのか指導を受けながら意識したのが、先ほどのフットレストでした。通常のブレーキはこんな感じでかけるのが理想です。

急減速にならないように、かかとを支点にじわ〜っと足首でブレーキを踏むのが基本です。でも緊急ブレーキであるフルブレーキは違います。

かかとを床から離し、ひざから大きくブレーキを蹴るイメージで強く踏み込むんです。この時、人によって違うのでしょうけど、私がこのブレーキが踏めるようになったポイントは、ブレーキを踏む右足ではありませんでした。
何がポイントだったかというと、先ほどのフットレストに置いた左足です。この左足を踏ん張ることができて初めて、右足は床からしっかり離せて強く踏み込めたのです。ブレーキを踏もうと思うと右足にばかり意識がいきますよね。でも、左足に意識をもっていって左足にきちんと加重できれば、ブレーキにむかってねじれなく、まっすぐに右足で蹴り込むことができます。左足の位置が正しければ、アクセルを間違って踏むことは、私の体型からはないことがわかりました。これは自分的に大発見。将来のブレーキとアクセルの踏み間違いの芽を少し摘むことができたと思いました。
だからこそ、みなさんにも、自分がしっかりフルブレーキを踏むコツはどこにあるのか、体験してもらいたいと思っています。しっかり検証した後のフルブレーキはいっぱいほめてもらえました。
ところが、わかったと思ったフルブレーキも、スピードが上がったり、前に障害物が現れるとあえなく、敗退しました。

黄色のコーンでブレーキをかけるのですが、前方に3つ並んだコーンにぶつからないよう止まらなければいけません。時速60キロでは、褒められまくりのフルブレーキをかけられたというのに、80キロになったら、前にコーンが迫ってきた時、思わずハンドルを切ってしまい、その際にブレーキを踏み続ける力が緩んでしまったのです。本当は、ハンドルを切ったとしても、ブレーキは強く踏み続けないといけません。減速こそが、クルマの最新機能の効果を発揮する重要な要素なのに、なんだかふわーんとブレーキを踏む力が抜けてしまいました。
失敗したものの、これは体験したからこそ自分がどういう時にダメになるかわかった貴重な体験でした。
対向車が来たと思ってブレーキを踏んだけど、踏み込みが弱いまま、ハンドルを切り、安心して、ブレーキを緩めてしまった状態だと、このまま歩道に突っ込んで前に人がいるかもしれません。それを想像すると怖すぎます。ひとつ障害物を避けられたら安心してしまいがちですし、そこに気持ちが集中しがちです。その後のことまでとっさには考えられません。でも、それこそが昨今の事故と共通する「パニック」だとわかりました。練習したからこそ、ここで、ブレーキを緩めては絶対にいけないんだと失敗を通じて学びました。
この後、時速100キロでのフルブレーキや滑りやすい路面の走行など、私の人生初のスピン体験が続きますが、それはまた次回、引き続きお伝えします。まずは、フルブレーキ体験の重要性、覚えておいてほしいです!
フルブレーキは、練習したことがなければとっさにできない可能性が高いです。モビリタには個人コースや企業コース、割引制度もありますので、こちらも次回お伝えしますね!
今すぐ知りたい方はこちらをチェックしてみてください!
■トヨタ 交通安全センター モビリタ
https://www.toyota.co.jp/mobilitas/
(了)
アウトドア防災ガイド あんどうりすの『防災・減災りす便り』の他の記事
おすすめ記事
-
企業理念やビジョンと一致させ、意欲を高める人を成長させる教育「70:20:10の法則」
新入社員研修をはじめ、企業内で実施されている教育や研修は全社員向けや担当者向けなど多岐にわたる。企業内の人材育成の支援や階層別研修などを行う三菱UFJリサーチ&コンサルティングの有馬祥子氏が指摘するのは企業理念やビジョンと一致させる重要性だ。マネジメント能力の獲得や具体的なスキル習得、新たな社会ニーズ変化への適応がメインの社内教育で、その必要性はなかなかイメージできない。なぜ、教育や研修において企業理念やビジョンが重要なのか、有馬氏に聞いた。
2025/05/02
-
-
備蓄燃料のシェアリングサービスを本格化
飲料水や食料は備蓄が進み、災害時に比較的早く支援の手が入るようになりました。しかし電気はどうでしょうか。特に中堅・中小企業はコストや場所の制約から、非常用電源・燃料の備蓄が難しい状況にあります。防災・BCPトータル支援のレジリエンスラボは2025年度、非常用発電機の燃料を企業間で補い合う備蓄シェアリングサービスを本格化します。
2025/04/27
-
自社の危機管理の進捗管理表を公開
食品スーパーの西友では、危機管理の進捗を独自に制作したテンプレートで管理している。人事総務本部 リスク・コンプライアンス部リスクマネジメントダイレクターの村上邦彦氏らが中心となってつくったもので、現状の危機管理上の課題に対して、いつまでに誰が何をするのか、どこまで進んだのかが一目で確認できる。
2025/04/24
-
-
常識をくつがえす山火事世界各地で増える森林火災
2025年、日本各地で発生した大規模な山火事は、これまでの常識をくつがえした。山火事に詳しい日本大学の串田圭司教授は「かつてないほどの面積が燃え、被害が拡大した」と語る。なぜ、山火事は広がったのだろうか。
2025/04/23
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/04/22
-
帰宅困難者へ寄り添い安心を提供する
BCPを「非常時だけの取り組み」ととらえると、対策もコストも必要最小限になりがち。しかし「企業価値向上の取り組み」ととらえると、可能性は大きく広がります。西武鉄道は2025年度、災害直後に帰宅困難者・滞留者に駅のスペースを開放。立ち寄りサービスや一時待機場所を提供する「駅まちレジリエンス」プロジェクトを本格化します。
2025/04/21
-
-
大阪・関西万博 多難なスタート会場外のリスクにも注視
4月13日、大阪・関西万博が開幕した。約14万1000人が訪れた初日は、通信障害により入場チケットであるQRコード表示に手間取り、入場のために長蛇の列が続いた。インドなど5カ国のパビリオンは工事の遅れで未完成のまま。雨にも見舞われる、多難なスタートとなった。東京オリンピックに続くこの大規模イベントは、開催期間が半年間にもおよぶ。大阪・関西万博のリスクについて、テロ対策や危機管理が専門の板橋功氏に聞いた。
2025/04/15
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方