■BCP完成後の重要事項

BCPが完成するまでの概要は以上のとおりだが、文書として完成すれば終わりというわけではない。完成後のフォローとしてBCPの「見直し」と「訓練」についても触れておこう。

BCPには、担当者ごとの役割や重要業務を実行するための経営資源などが記載されているが、これらは時間が経つと必然的に古くなってしまう(人事異動や事業資産の買い替え、組織の再編等など)。したがって少なくとも年1回はBCPを見直し、こうした変更の有無をチェックする必要がある。

また、訓練はスポーツの実技やトレーニングと同じである。いくら机上で泳ぎ方を学んでも、実際に体を動かさないことには泳げるようにはならないのと同じだ。訓練に生かされないBCPを、災害が起きたときだけ役立てようとしてもうまくはいかない。非常時に社員を守り、事業を守るのは事業継続計画書という名前のドキュメントではない。BCPに即して臨機応変な実践力と応用力を身に付けた従業員自身である。

(了)