あなたのWebサイト、攻撃されていませんか
Web診断のおすすめ

中島 豊
1998年にアライドテレシスに入社。ネットワークスイッチの開発経験を経て、マーケティング部門に異動。VoIP、データセンターネットワーク機器企画を行った後、企業向けSDNの新企画(Secure Enterpise SDN)を立ち上げ、現在のサイバーセキュリティ戦略室で邁進中。
2019/07/16
企業よ、サイバーリスクに備えよ
中島 豊
1998年にアライドテレシスに入社。ネットワークスイッチの開発経験を経て、マーケティング部門に異動。VoIP、データセンターネットワーク機器企画を行った後、企業向けSDNの新企画(Secure Enterpise SDN)を立ち上げ、現在のサイバーセキュリティ戦略室で邁進中。
企業の顔になるホームページ、製品を販売するためのEC(Electronic Commerce)サイト、そしてみなさんが情報をチェックするSNSなどのビジネスは、今やWebサイトなしには成り立ちません。
しかし今、その企業のWebサイトが狙われています。特に来年2020年はオリンピックの年で、チケット販売、関連商品などをWebから購入するユーザーも急激に増加します。攻撃者は、その時に必要となる私たちの個人情報などの引き抜きを行うため、Webサイトの改ざんなどの攻撃を仕掛ける活動を行っています。
攻撃者は脆弱性のあるWebサイトを見つけ出し、そしてさまざまな攻撃手法を用いてWebサイトの改ざんを試みます。では、最初に代表的なWebサイトに対する攻撃手法に関して解説していきましょう。よく耳にする有名なWebサイトに関する攻撃手法は以下の2つです。
(1)クロスサイトスクリプティング
(2)SQLインジェクション
そのほかにも、Webプラットフォームの脆弱性をついた攻撃なども存在します。
1.Web改ざんの例
1)クロスサイトスクリプティング
まず、この攻撃を仕掛けることができるWebサイトのページはテキスト文などを入力することができ、そのWebサイトの入力制限などに脆弱性があるものが当てはまります。下記に簡単な流れを記載しました。イメージがつかめるかと思います。
よくある例として、入力制限のかかっていない掲示板などにスクリプトを埋め込む手法があげられます。
(1)攻撃者は自分のWebサイトに遷移するスクリプト文を掲示板に書き込みます。
(2)この掲示板に攻撃者のWebサイトに飛ぶURLが記載されます。
(3)被害者となるユーザーが本掲示板のURLをクリックします。
(4)攻撃者のWebサイトに移動し、マルウェアのダウンロードや個人情報の記載などのアクションをします。
(5)攻撃者が被害者の情報を取得します。
2)SQLインジェクション
この攻撃はデータベースと連携されたWebサイトに対する攻撃になります。攻撃の入り口となるのは、URL入力箇所や会員サイトのユーザー名、パスワード画面などです。こちらも下記に攻撃イメージ例を記載しました。
(1)攻撃者は攻撃対象のログイン画面のユーザー名やパスワードなどにSQL文を含んだ文字列を書き込みます。
(2)SQL文が書き込まれたWebサイトは脆弱性により、入力されたテキストをそのまま使い、データベースに対して予期せぬ実行制御文をSQLデータベースに送ってしまいます。
(3)データベースは受け取った制御文をそのまま実行します。この例では、ユーザー名とパスワードが出力されてしまいます。
(4)攻撃者は取得したユーザー名とパスワードを使って、その会員サイトに入ることができます。
上記2つの例の原因は攻撃対象Webサイトが持つ脆弱性です。入力フォームに入力制限がされていないという脆弱性をつかれ、スクリプト文やSQL文が書き込まれてしまいました。この事例は事前にこの脆弱性の内容の存在が分かっていれば、対策が可能であり、未然に防ぐことができます。
企業よ、サイバーリスクに備えよの他の記事
おすすめ記事
入居ビルの耐震性から考える初動対策退避場所への移動を踏まえたマニュアル作成
押入れ産業は、「大地震時の初動マニュアル」を完成させた。リスクの把握からスタートし、現実的かつ実践的な災害対策を模索。ビルの耐震性を踏まえて2つの避難パターンを盛り込んだ。防災備蓄品を整備し、各種訓練を実施。社内説明会を繰り返し開催し、防災意識の向上に取り組むなど着実な進展をみせている。
2025/06/13
「保険」の枠を超え災害対応の高度化をけん引
東京海上グループが掲げる「防災・減災ソリューション」を担う事業会社。災害対応のあらゆるフェーズと原因に一気通貫の付加価値を提供するとし、サプライチェーンリスクの可視化など、すでに複数のサービス提供を開始しています。事業スタートの背景、アプローチの特徴や強み、目指すゴールイメージを聞きました。
2025/06/11
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/06/10
その瞬間、あなたは動けますか? 全社を挙げた防災プロジェクトが始動
遠州鉄道株式会社総務部防災担当課長の吉澤弘典は、全社的なAI活用の模索が進む中で、社員の防災意識をより実践的かつ自分ごととして考えさせるための手段として訓練用のAIプロンプトを考案した。その効果は如何に!
2025/06/10
緊迫のカシミール軍事衝突の背景と核リスク
4月22日にインド北部のカシミール地方で起こったテロ事件を受け、インドは5月7日にパキスタン領内にあるテロリストの施設を攻撃したと発表した。パキスタン軍は報復として、インド軍の複数の軍事施設などを攻撃。双方の軍事行動は拡大した。なぜ、インドとパキスタンは軍事衝突を起こしたのか。核兵器を保有する両国の衝突で懸念されたのは核リスクの高まりだ。両国に詳しい防衛省防衛研究所の主任研究官である栗田真広氏に聞いた。
2025/06/09
危険国で事業展開を可能にするリスク管理
世界各国で石油、化学、発電などのプラント建設を手がける東洋エンジニアリング(千葉市美浜区、細井栄治取締役社長)。グローバルに事業を展開する同社では、従業員の安全を最優先に考え、厳格な安全管理体制を整えている。2021年、過去に従業員を失った経験から設置した海外安全対策室を発展的に解消し、危機管理室を設立。ハード、ソフト対策の両面から従業員を守るため、日夜、注力している。
2025/06/06
福祉施設の使命を果たすためのBCPを地域ぐるみで展開災害に強い人づくりが社会を変える
栃木県の社会福祉法人パステルは、利用者約430人の安全確保と福祉避難所としての使命、そして災害後も途切れない雇用責任を果たすため、現在BCP改革を本格的に推進している。グループホームや障害者支援施設、障害児通所支援事業所、さらには桑畑・レストラン・工房・農園などといった多機能型事業所を抱え、地域ぐるみで「働く・暮らす・つながる」を支えてきた同法人にとって、BCPは“災害に強い人づくり”を軸にした次の挑戦となっている。
2025/06/06
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2025/06/05
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方