栄養補助食品が救世主になる

以上、それぞれのメーカーには特徴が見られます。大塚製薬(カロリーメイトなど)の諸製品は、1部の商品ポカリスエット(電解質)を除いて5大栄養素・全方位方式で栄養素のバランスの充実に意を注いでいます。森永製品は1商品のみ6大栄養素のバランスを取り、その他はエネルギー強化、プロテイン強化、ミネラル、ビタミンに重心をかけて強化しています。明治は、ビタミン、ミネラル(亜鉛、銅、鉄)、プロテイン、アミノ酸に重点を置いた商品です。ハウスはL-137 乳酸菌100億個と1日のビタミンに力を入れた商品。ローソン(カゴメ)は1食分の食物繊維と1日分のビタミンC、ローソン(エルビー)は1日分のビタミンCに重心を置いた商品です。それぞれに工夫が見られます。

災害時でもないのに、この種の商品が売れていて売り上げを伸ばしているというのは、どういうことでしょうか? 飽食の裏返し現象、つまり「おいしいものをタラフク食べた後のケア」をしているとしかいいようがありません。
いえいえ、違います。「食をおろそかにしたおろ(そ)かもののケア」なんです、といわれれば、それもそうかとうなずけます。いずれにせよ、必要であることは間違いなしです。

翻って災害時は、普段とは比べものにならないほど、栄養不足で切羽詰まっています。この種の栄養補助食品は健康維持に不可欠。支援物資の食品のうち、熱や水を加えなければすぐに食べられない食品が約半分もあります。これは被災者にストレスこそ与え救済とはほど遠い愚かな支援です。栄養が足りない被災者に「これをどうぞ」と胸を張って差し出す支援策を望みます。それは「元気」の素となる栄養保助食品をもっともっと何十倍も多く増やすことです。そうすれば、被災地に希望の光を与えることになり、気の利いた施策に対して被災者は拍手を送ること間違いなしです。

写真を拡大 ×印:合計349万食のうち×印174万食=約半分がそのまますぐ食べられない。しかも食品の約7割が主食である。

ただし、食べ方、飲み方には以下のように注意しましょう(表)。

保管
方法

・直射日光を避け常温保存

・開封後は要冷蔵

注意
事項

・食物アレルゲン物質要注意(りんご、ももなど)

・各種とろみ剤(ハラール該当者)要注意(ゼラチンなど)

・各種栄養素含有量要注意

・1日必要量の基準値(過剰摂取要注意)
・無防備に欲張ること要注意

 

(了)