怖い電気火災

現在では、七輪もかまども一般的ではなく、コンロは揺れを感知して消える装置がほぼ100パーセントついています。ですから関東大震災と全く同じ火災が発生するわけではありません。でも、阪神・淡路大震災以降は電気火災が発生しています。

写真を拡大 内閣府防災「大規模地震時の電気火災の発生抑制の方向性について(平成30年3月)」より引用 http://www.bousai.go.jp/jishin/syuto/denkikasaitaisaku/pdf/kasaitaisaku.pdf

電気火災とは何かというと、地震の揺れにともなう電気機器からの出火や停電が復旧したときに発生する火災のことです。

変圧器の接続部分が地震の揺れにより負荷がかかり出火したり、電線側の圧力端子が切断し火花が発生して出火したり、家屋の倒壊によって配線が損傷したことにより出火したり、原因は下記の図にあるように様々です。

写真を拡大 引用 前述に同じ

これら、電気火災を防ぐために重要なことは、あまりにも王道な防災対策ゆえに、シェアされたり多くの人々の話題になることも少ない、建物の耐震化です。建物が倒壊すると電気系統の損傷が起こり、たやすく火事が起こります。そして、家具の転倒防止。上の図をみても、水槽が転倒さえしなければ、家具が転倒しなければ防げる火災があります。電気ストーブが転倒し、自動電源遮断装置が働けばかえって電気は切れるのですが、自動装置が働く前に他の家具が転倒し、燃焼物が電気ストーブに接触してしまうと火事が発生してしまいます。だから家具の転倒防止は火災対策でもとても重要なのです。白熱球はLEDに変更しておくことや、感震ブレーカーの設置(これについては、下記記事に書きました)ももちろん重要です。ですが、感震ブレーカーの設置率は低いです。

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https://www.risktaisaku.com/articles/-/1828

平成29年1月に実施した人口20万人以上の市や東京都23区などの地方自治体のうち回 答のあった77自治体を対象にした地方自治体向けの感震ブレーカーの普及に関するアンケ ート(以下、「地方自治体向けアンケート」という。)では、4割を超える地方自治体で普 及促進の取組がなされている(図13参照)。
その一方で、一般世帯向けアンケートでは、感震ブレーカーの保有率は約8%であり、感 震ブレーカーを認知しているとの回答の割合も30%にとどまっている。
前述 引用資料に同じ

東日本大震災の際は津波火災も発生したためその印象が強く残っている方も多いかもしれませんが、電気火災が過半数を超えています。