今の東京も地震時は脆弱

中でも東京都の出火件数が35件もありました。震度5で35件の出火件数なので、東京がいかに地震の時、火災に脆弱かを感じさせるデータになっています。

写真を拡大 引用は前述の内閣府防災資料に同じ

また、東京都は「木密」と呼ばれる木造住宅密集地域が多くあるので、地震によって火災が起こりやすいことが指摘されています。

首都被災~木密地域に潜む災害のリスク~(出典:YouTube)

「うちはマンションだから大丈夫」という声もよくお聞きしますが、木密地域で火災旋風が起こった場合、マンション内でも中の人は耐えられないといわれています。風向きによってはマンションでも火災が起これば早急に避難しなければいけない可能性もあります。

関東大震災の後、その火災が綿密に研究されたことにより、太平洋戦争で焼夷弾が使われたといわれています。それなのにいまだに木密地域が多く、地震と火災の根本的な解決がなされていないのはなぜなのでしょうか。

くどいですが再度言います。地震による火災対策は、耐震化や転倒防止、木密地域の解消という、言ってみれば面白さのかけらもないような地味な対策こそが、重要です。火災旋風に対し、身近なものを使って対応とか、とっさの行動だけで対応しようとする、結局のところ、地震が起こるまで何も対策をとらないことを助長するだけの甘い対策では、命が守られる訳がありません。

関東大震災で生き残った方の教訓と、そして命を落とした方の無念を思うのであれば、やはり、この、残念なほどに地味だけど、だけど本質的な対策に真っ向から取り組まなければいけないと思うこのごろです。

(了)