2016/08/29
ワールド ファイアーファイターズ:世界の消防新事情
消防士の不正事故・不祥事予防の具体的対策
不正処理や不祥事を起こすと
●所属署だけでなく、全国の消防職員全体に対する信頼を著しく損ねます。
●消防行政及び学校における消防組織の円滑な運営に支障を来します。
●所属消防署だけでなく、家族や親族にもその影響が及びます。
給与等の影響
●免職の場合は、消防職員として受け取るはずだった給与と退職金を失うこととなります。
●民事上の責任 支給開始から5年間、職域年金相当部分の100分の50が支給されません。
●懲戒処分を受けると、退職するまでに受け取る給与の総額のみならず、退職手当の額にまで大きく影響を与えます。
●退職後であっても、在職期間中の非違行為等が発覚し、その内容が懲戒免職相当の処分に該当するも のと認められた場合には、退職手当の全部又は一部が支給されなかったり、支給後に返納を求められます。
法的責任
●懲戒処分
・懲戒処分には時効の制度はありません。
・地方公務員法に基づき、懲戒処分が行われ、履歴事項として記録されます。
・免職の場合は、消防職員としての身分を失い、消防士として消防現場で活動することができません
●刑事上の責任
・禁固以上の刑(執行猶予を含む)に処せられた場合は、地方公務員法に基づき失職します。
・刑法、道路交通法、児童福祉法等により罰金や懲役刑などが科されます。
●民事上の責任
・不法行為に基づく賠償として、被害者から治療費・慰謝料・修繕費などが請求されます 。消防職員の不正行為、不祥事を起こした場合、その代償は莫大です。
● 被害者の人生への影響
● 自分以外へのマイナスの影響 →その他被害者職員・保護者・管理職・同僚・職員 全体・自分の家族への影響
● 自分が失うたくさんのもの →友人・仲間・家族・信頼・身分・収入・退職金等
● 刑事処分
いかがでしたか?今回は少し堅い内容になってしまいましたが、みなさんにとって大切なことだと思い、心を込めて書かせていただきました。
魔が差したときには、自分が起こそうとしていることをよく考え、気付いた時点でチャンネルを切り替えて、自己満足を得ることよりも、同じパワーとお金で、奥さんや子供、ご両親など、家族に満足を与えたいですよね。
アメリカやカナダで、消防士がヒーローと言われているのは、消防士が自らそう思っているわけではなく、社会が消防士達をヒーローと認めているからなんです。
理性と本能のバランスを保って、楽しい消防人生を送りましょう!
一般社団法人 日本防災教育訓練センターでは、消防職員の不祥事予防プログラムのワークショップも行っております。ご興味のある方はご連絡ください。センターで作成した消防職員の不正・不祥事予防プログラム(例)を以下にリンクしましたので、ご参考までに。
■消防職員の不正・不祥事予防プログラム(例)
http://www.risktaisaku.com/common/rtc/pdf/160831_program.pdf
一般社団法人 日本防災教育訓練センター
http://irescue.jp
(了)
ワールド ファイアーファイターズ:世界の消防新事情の他の記事
おすすめ記事
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2025/05/05
-
企業理念やビジョンと一致させ、意欲を高める人を成長させる教育「70:20:10の法則」
新入社員研修をはじめ、企業内で実施されている教育や研修は全社員向けや担当者向けなど多岐にわたる。企業内の人材育成の支援や階層別研修などを行う三菱UFJリサーチ&コンサルティングの有馬祥子氏が指摘するのは企業理念やビジョンと一致させる重要性だ。マネジメント能力の獲得や具体的なスキル習得、新たな社会ニーズ変化への適応がメインの社内教育で、その必要性はなかなかイメージできない。なぜ、教育や研修において企業理念やビジョンが重要なのか、有馬氏に聞いた。
2025/05/02
-
-
備蓄燃料のシェアリングサービスを本格化
飲料水や食料は備蓄が進み、災害時に比較的早く支援の手が入るようになりました。しかし電気はどうでしょうか。特に中堅・中小企業はコストや場所の制約から、非常用電源・燃料の備蓄が難しい状況にあります。防災・BCPトータル支援のレジリエンスラボは2025年度、非常用発電機の燃料を企業間で補い合う備蓄シェアリングサービスを本格化します。
2025/04/27
-
自社の危機管理の進捗管理表を公開
食品スーパーの西友では、危機管理の進捗を独自に制作したテンプレートで管理している。人事総務本部 リスク・コンプライアンス部リスクマネジメントダイレクターの村上邦彦氏らが中心となってつくったもので、現状の危機管理上の課題に対して、いつまでに誰が何をするのか、どこまで進んだのかが一目で確認できる。
2025/04/24
-
-
常識をくつがえす山火事世界各地で増える森林火災
2025年、日本各地で発生した大規模な山火事は、これまでの常識をくつがえした。山火事に詳しい日本大学の串田圭司教授は「かつてないほどの面積が燃え、被害が拡大した」と語る。なぜ、山火事は広がったのだろうか。
2025/04/23
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/04/22
-
帰宅困難者へ寄り添い安心を提供する
BCPを「非常時だけの取り組み」ととらえると、対策もコストも必要最小限になりがち。しかし「企業価値向上の取り組み」ととらえると、可能性は大きく広がります。西武鉄道は2025年度、災害直後に帰宅困難者・滞留者に駅のスペースを開放。立ち寄りサービスや一時待機場所を提供する「駅まちレジリエンス」プロジェクトを本格化します。
2025/04/21
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方