エレベーターと連携し、単独で乗り降りする「SQ-2」

三菱地所はこのほど、同社が所有する東京都千代田区の大手町ビルで、警備ロボットを導入。9日に報道陣向けに公開した。自律移動以外にエレベーターと連携し、フロア間の移動もできる仕様となっている。東京都のロボット活用事業である「Tokyo Robot Collection(東京ロボットコレクション)」の一環にもなっており、人手不足などの課題解決を図る。

ロボットは三菱地所が出資するSEQSENSE(シークセンス)社の「SQ-2」と呼ばれるもの。高さは129.5センチ、幅51センチ。センサーやカメラを搭載し、決められたルートでの自律移動の他、監視や警備拠点への通報、警備員との対話なども可能となっている。また、大きな特徴として大手町ビルの三菱電機製エレベーターと連動させ、SQ-2がエレベーターに乗り、フロア間を移動する。現在は4階と6階の2フロア間の移動を行っている。

三菱地所では8月に、同社本社のある大手町パークビルディングに同じロボットを導入。同ビルは2017年竣工の最新ビルだが、大手町ビルは築61年。大手町パークビルディングでは主に直立での警備が多かったが、エレベーターなどの設備が古く、廊下の長い築古の大手町ビルでは自律移動による警備を中心に行う。エレベーターとは複数のロボットを連携させることができ、2020年3月には大手町ビルの2~9階を自由に移動させることを目指すという。

都は東京ロボットコレクションで、東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会とも連携しロボット活用を進め、世界へのアピールの他、人手不足やインバウンド増大などによる課題解決につなげていくことを目指す。11月27日には羽田空港でも警備ロボットの実証実験を行った他、案内や運搬、調理といった警備以外でのロボット活用も進めている。

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(了)

リスク対策.com:斯波 祐介