2019/12/27
危機管理の神髄
反カトリーナ
ハリケーン・サンディに対する対応は、決して完璧ではなかった。特に、ロードアイランドのロッカウェイやレッドフックでは、公営住宅が甚大な被害に遭った。ストームの高まりが海岸を上昇させ、砂丘と他物もろともボイラー室まで持ち込んできた。400棟以上の建物の公営住宅に住んでいた8万人の住民が被害を受けた。混み入った課題を解決して、これらの建物に熱と電気を復旧させるのに、非常に長い期間を要した。病院と介護施設は停電してしまい、ストームの真っ最中に避難することを余儀なくされた。ガソリン不足はずっと長引いたが、十分に言及されていない。シェルター避難は最初の段階から、多くの問題点と欠陥と混乱を抱えていた。そして、当然ながら、住居の復旧についてはすでに多くのことが指摘されている。
それらの問題点にもかかわらず、ニューヨーク市沿岸ストーム対策計画はカトリーナの後に策定され、その教訓を計画の設計に生かしながら、失敗した7年前のカトリーナへの災害対応の最悪の過ちを避けることができた。
そして、2001年9月にもそうしたように、OEMはグレートマシンを稼働させ、EOC災害対策本部の小さい卵型の演壇の上に、カオスの真ん中に、しっかりと踏み締め立っていた。 それはパラレルな宇宙の中で、1日24時間ほぼ20週間稼働した。
われわれは、何が起こっているのかをみんなに伝え、われわれが戦いのリズムを取ったのである。
われわれは、他の誰も答えられない質問に答え、他の誰も解くことができない問題を解決した。そして、何千人ものファーストレスポンダー、医療介護スタッフ、公共交通機関の職員、電力会社の現場チームと他の人々の英雄的な努力のおかげで、われわれはしくじらなかった。
仕事のピーク時が過ぎた時、EOCの雰囲気が良くなり始めた。最も難しい問題から取り組み始め、その難しさが少しずつ下がってきたので安堵感があった。OEMチームはバリバリ働いた。彼らの人生で、今まで働いた以上に頑張って働いた。そして一日の終わりには、よい仕事をやり終えたと分かっていた。ストームが高まってくる中で、われわれのほとんどが、災害の仕事に入って行こうと決心したことがあっただろうかと思っていた。
しかし、長い災害対応の段階が終わり、災害の高まりの最後の光が見えてきた。同じ人たちの中の何人かは、この仕事はこの世の中で最良の仕事であると考え始めていた。
(続く)
翻訳:岡部紳一
この連載について http://www.risktaisaku.com/articles/-/15300
おすすめ記事
-
-
-
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/07/01
-
-
-
「ビジネスイネーブラー」へ進化するセキュリティ組織
昨年、累計出品数が40億を突破し、流通取引総額が1兆円を超えたフリマアプリ「メルカリ」。オンラインサービス上では日々膨大な数の取引が行われています。顧客の利便性や従業員の生産性を落とさず、安全と信頼を高めるセキュリティ戦略について、執行役員CISOの市原尚久氏に聞きました。
2025/06/29
-
-
-
柔軟性と合理性で守る職場ハイブリッド勤務時代の“リアル”な改善
比較サイトの先駆けである「価格.com」やユーザー評価を重視した飲食店検索サイトの「食べログ」を運営し、現在は20を超えるサービスを提供するカカクコム(東京都渋谷区、村上敦浩代表取締役社長)。同社は新型コロナウイルス流行による出社率の低下をきっかけに、発災時に機能する防災体制に向けて改善に取り組んだ。誰が出社しているかわからない状況に対応するため、柔軟な組織づくりやマルチタスク化によるリスク分散など効果を重視した防災対策を進めている。
2025/06/20
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方