2020/03/27
アウトドア防災ガイド あんどうりすの『防災・減災りす便り』
各役割が協力し合って感染拡大防止
https://www.kantei.go.jp/jp/content/000061234.pdf
クラスターを少しでも減らすために3つの「密」の場所を避けろと言われますが、「密」の場所に行きがちなのが中高生です。ゲームをすることによって、ニュースの感染症用語がふに落ちる形で理解できるので、中高生にもおすすめしたいです。
パンデミックはボードゲームなのでスタート地点があるのですが、それがアトランタなのです。なぜかというとCDC(アメリカ疾病対策センター)の本拠地があるからなんですって。
1プレーヤーが1ターンでできることは4アクションです。移動のアクションか、感染症コマを取り除くなどのアクションが4つ選択できます。
プレーヤーは7枚の役割カードのうち、いずれかの役になります。その役に応じた特別なアクションが可能です。
役割カードを見ているだけで、こういう人と協力し合っての感染拡大防止がイメージされるということも、ある意味新鮮です。
役割カードのうち、「作戦エキスパート」は調査基地の設置が他の人より簡単にできたり、「衛生兵」は他の役割が1つずつしか感染コマを除去できないのに対し、1色全てを取り除けるなど、得意技があります。
このゲームでは、感染症を地域から取り除くことがゴールではありません。ゲームの中で4種類の感染症に世界が多発的に感染していくのですが、4種類の治療薬を全て発見することがゴールです。
治療薬は、みんなで協力して科学者役の人に同色のカードを集めていけばより作りやすくなりますが、プレイヤーに科学者がいないと、別の方法で治療薬を発見していかなければなりません。プレーヤーがどの役になるかは最初に配布されるカードで決まります。
治療薬ができないうちは、感染症コマを取り除いても取り除いても、すぐ感染拡大が起こってくるんです。これが、本当にパニック映画並みの感染拡大です。で、治療薬が発見されると、その感染症については沈静化されやすくなるのですが、全ての治療薬ができないうちは1つ治療薬があっても、すぱっと感染が起こらなくなるわけではありません。パンデミックが地道で長い戦いであることがゲームを通じて体感できるのです。
ゲームルールは、決して簡単ではありません。初めてゲームする場合は、解説書がやや難解なので、YouTubeなど動画でルールを理解するのがおすすめです。
また、巣ごもり消費でボードゲームが人気となり品薄になっていますが、アプリ版もあります。アプリ版は1人でもできるので、一緒にゲームしてくれる人が見つけられない場合でもゲーム可能です。ただ、オンライン対戦ゲームのようにオンライン上で一緒にプレイできるわけではありません。ボードの代わりとして、アプリが使える仕様になっています。
難易度はやや高めのゲームではありますが、新型コロナウイルスでパンデミックが起こっている今のこの現状を知り、俯瞰的に対策をとるとはどういうことかを考えることができるので、体験していただければと思います。何よりも対戦型ではなく、協力型ゲームの醍醐味(だいごみ)があります。世界のどこでも感染が広がる状況では、争っている場合ではなくて、多様な人と協力しないと感染が防げません。プレーヤーの建設的な意見の出し合いが、問題を解決する鍵となっています。
不確実な今後を、自分を見失わずに乗り切るためにも、時間あったら体験してみてくださいね♪ 災害時にも役立つ発想が詰まっているゲームだと思います。
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