2017/05/19
アウトドア防災ガイド あんどうりすの『防災・減災りす便り』
都市部の在宅避難では、冷蔵庫の固定は必須!
都市部では、避難所の数が足りません。ですので、自宅を安全にして自宅で避難できる事が理想になります。その時に冷蔵庫が倒れて中身が散乱していれば、食料が足りなくなります。自宅避難のためには、冷蔵庫の固定は必須といえます。しかし、家具は固定しているという方でも冷蔵庫は放置している方は多いのです。

アンケートで聞いてみると、タンスの形と違って立方体の形をしているせいか倒れないと信じている方も多かったですし(実際には地震で倒れたり、飛んだりしています)、「うちはドラマに出てくるようなタワーマンションではないから、長周期地震動の影響はないので冷蔵庫は倒れない」とか(木造家屋でも5階建てのマンションでも影響はあります)、「コの字型のキッチンだから大丈夫」など(大丈夫ではありません)いろいろな理由で転倒防止がされていないことがわかりました。冷蔵庫については通常家具以上に誤解も多いので、これらも転倒するということについて東京大学地震研究所の纐纈一起(こうけつ・かずき)教授にアドバイスしていただきました。

さて、上記2つポイントを絞り込み、行政にプレゼンを行った訳ですが、レジェンド中野先生が設定してくださると担当者にお会いすることは簡単でした。
しかし、「内容は素晴らしいし意義はよくわかります」との前置きのあと、できない理由をいろいろ教えてくれるのですが・・・・と、ここは想像に難くないと思うので、略します!
そんなある日、港区の防災課の方にお会いした際、この話をしたところ、すでにご存知だったのです。あとで分かったのですが、中野先生が昨年10月1日の「法の日」にこの話を講演してくださったのを聴かれていたとのこと。
■賃貸住宅でも、家具転倒防止のためのネジ穴を当たり前の世の中に
丸の内総合法律事務所弁護士/中野明安氏
http://www.risktaisaku.com/articles/-/2096
しかも、初めてお会いしました!実施できる方向でのアイデアを本気で考えてくださっている行政の方に♪嬉しかったので、資料一式をお渡ししました。資料には、もれなく以下のアンケート結果もおつけしました。気持ちのこもった声をたくさんいただいたので、読んでいただきたかったのです。
資料をお渡ししたあとは私はノータッチだったのですが、防災に前向きな区長のもと、優秀な職員さんたちがもっと実効性のある政策に取り組みたいと可能性を探ってくださいました。
港区の発表後に取材させていただいたら、「とにかく震災時、自宅でケガをする人を防ぎたい、その想いで実行したので、特別な事をした感覚ではないのですが・・・」と、あくまで控えめ!かっこよすぎるじゃないですか♪
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