ICTの最大限活用による国力の底上げを提言した

自由民主党のIT戦略特命委員会(委員長:平井卓也・衆院議員)は24日、ICTの戦略提言である「デジタル・ニッポン2017」を公表した。機密情報にアクセスできる人物を認定するセキュリティ・クリアランス(SC)制度の創設や官民データ連携プラットフォームの防災への活用などが盛り込まれた。政府に提言する。

SCは米国や欧州連合(EU)では民間人でも保有者がおり、民間人が政府の機密情報を製品開発に活用するケースがある。日本にはこの制度がなく、研究開発に利用できるサイバー攻撃情報の量で米国やEUに劣り、安全品質で日本が負ける可能性が高い。政府の内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)がSCガイドラインを策定し、国際監査法人がSCの社団法人を設置。ここが民間人や組織を審査しSC資格を付与する制度を要望する。

IoTが進展し、今後は従来の予想を越える損害リスクが予想されることから、被害者救済へ保険制度や医療事故調査支援センターのような再発防止のためのICT調査専門組織の設立も盛り込んだ。

ハザードマップや気象、災害、公共交通データ、不動産や都市計画、インフラの設計や点検記録といった官民データを合わせたプラットフォーム「国土メタデータ」を形成し、災害対策にも生かしていく。ドローンの国産化や災害時の緊急利用体制の整備も推進。り災証明の発行や災害再建支援金の給付でのマイナンバー利用も提案している。

■「デジタル・ニッポン2017」(IT戦略特命委員会フェイスブックページ)
https://www.facebook.com/pg/ldp.it/photos/?tab=album&album_id=1302489909846119

(了)

リスク対策.com:斯波 祐介