(2)被害想定を確認する~世の中がどうなるか知る

①なぜ被害想定を確認するか
大きな地震が起こると、社会全体に甚大な被害が発生します。その際、自社の従業員、建物・設備、そして電気・ガス・水道などのライフラインにも大きな被害が出ることから、それが自社の事業継続にどのような支障をもたらすかを明らかにしておく必要があります。

事前に被害想定を確認しても、実際の地震が、その想定通りになるとは限りません。それでも起こり得る被害を想定するのは、その被害想定を前提に自社の事業を継続するに当たっての弱点を把握して、必要な対策を講じることができるからです。

②自社の被害を想定する手順
まず、自社が立地する地域で発生する地震については、国(内閣府中央防災会議)が発表する被害想定を参考にします。例えば、首都圏に拠点を持つ企業であれば、2013年12月に発表された「首都直下地震の被害想定と対策について(最終報告)」で、被害の全体像を把握します。

そして次に、各地方自治体が発表しているハザードマップなども活用して、自社の従業員、建物・設備、そしてライフラインにどのような被害が起こるかを確認していきます。

この手順で重要なことは、自社に起こり得る被害をできるだけ具体的に想定することです。例えば、大きな揺れに弱い設備はどれか、倒れる機械やキャビネットはないか、また電気の供給が停止した際の製造ラインへの影響はどうなるかなど、より細かく想定しておくことです。

なぜなら、ここで自社の弱点を見つけることができなければ、それに応じた対策を立てることができないからです。そのためにも、被害想定を作成する場合は、社内の各部門の協力を得て、現場において事業継続上の落とし穴となるような点を見逃さないことが重要です。