2020/06/09
ロックフェラー財団100RCに見る街づくりのポイント
メルボルンの抱えるショックとストレス
【ストレス】
●人口増加
移民が増加しているのは先述の通りです。2051年には、メルボルンの人口は800万人に迫るという試算があります。
●経済業態の変化
従来製造業を主とした経済から、サービスや知識産業への転換が起きています。金融・ヘルスケア・教育が産業の中心に変わりつつあります。特にメルボルンにはオーストラリアでも大規模な大学がいくつか存在し、留学生の割合が高いことから、教育はメルボルンを語る上で欠かせない産業になりつつあります。一方、製造業が縮小していることで、失業率の高さ(およそ8%)も課題となっています。住宅の価格も上がっており、家を持たないホームレス人口は1996年に比較して3割近く上昇しています。
●ヘルスケアシステムや生活の質へのプレッシャー
人口増加は、ヘルスケアシステムに大きな影響を与えます。オーストラリア全体でヘルスケア関連支出は今後2032年までに2002年比400%の増加が見込まれています。大半の病気は肥満からくるものだと予測されているため、食い止めることが可能な病気です。しかしながら肥満の割合と収入には相関性があると指摘されているため、問題は複雑な構造になっています。
【ショック】
●自然災害
メルボルンを襲う様々な自然災害により、日本円にして、毎年約3億円の損失が計上されています。干ばつ、熱波、山火事、洪水が毎年のように街を襲うため、複数の災害に同時に対応する必要があります。
●パンデミック
新型コロナウイルスやインフルエンザなどのパンデミックは、人間起因のショックとして位置付けています。パンデミックそれ自体は、ビクトリア州全体のリスク要因の第3位となっています。
●交通インフラへの需要増加、インフラ老朽化、インフラ事故
ストレスとして挙げられた人口増加が、新しいショック要因を生み出しています。2012年に、技術的な理由で市内のトンネルが一時的に閉鎖になったことがあり、市内は大混乱に陥りました。公共交通インフラへの過度な依存を問題視しています。
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