公共のトイレには「男性トイレ」「女性トイレ」の他に、「だれでもトイレ」があります。

昔は「障害者用トイレ」「車いす用トイレ」などと呼ばれていましたが、最近は「多目的(多機能)トイレ」「だれでもトイレ」などと名称が変わり、ぼうこう・直腸機能障害を持つストーマ保有者、高齢者、乳幼児連れも対象にしたので、設備も増えてきました。

「だれでもトイレ」という名称が使われるようになったのは、「東京都福祉のまちづくり条例施行規則」とされています。以下「だれでもトイレ」といいます。

健常者が「気になる」「意外と知らない」だれでもトイレ

実は、だれでもトイレの中に入らなくても「表示案内」を見れば、どんな設備があるのかピクトグラムで表しています。

渋谷区役所にあるだれでもトイレの表示案内(2020年5月撮影)です。左から順に説明します。

1. 身障者用設備
車いすでスムーズに方向転換ができる十分なスペースと、便座へ移動するための可動式手すりが付いた、体の不自由な方が利用するトイレです。

2. お手洗い
男女関係なく使えるトイレです。

3.  LGBTトイレ
アメリカのニューヨークでは「共有スペースのないトイレに男女別の表示を禁止する条例」によって、2017年1月1日から共有スペースのないトイレは全て「ジェンダーニュートラル(性別不問)」にすることが義務づけられました。

日本では、カフェや居酒屋などで個室トイレしかないところは仕方なく男女兼用になっているところを見かけますが、LGBTQにも配慮した性別に関係なく、全ての人が利用可能なトイレが注目されています。

4. オストメイト
ぼうこう・直腸機能障害を持つストーマ(人工ぼうこう・人工肛門)保有者が、ストーマ装具や汚れ物を洗うための汚物流し、汚れた腹部を洗うことができるシャワーなどを設けたトイレです。