写真を拡大 (写真:気象庁のホームページより)

台風や豪雨の際には、「この先何が見込まれるのか」という見通しを持って対応したいものです。そうした今後の展開シナリオを組み立てる際のいわば「材料」として役立つツールの一つが、注意報や警報に関する情報です。今回の記事では注意報や警報の読み取り方を確認していきましょう。

注意報や警報は詳細情報を見る

注意報や警報の情報を材料に今後のシナリオを組み立てる際には、一般的な気象情報のサイトではなく、注警報を発表する主体である気象庁のホームページを使って確認していくことがお勧めです。

気象警報・注意報(気象庁)
https://www.jma.go.jp/jp/warn/

一般のサイトよりも気象庁のページで注意報・警報の情報を見た方が情報量は格段に多くなります。普通のサイトで確認した例として、あるテレビ局の気象情報のページから抜粋したものが次の図。こうしたタイプの情報では、どこの市町村に対して・いつ・何の注意報や警報が出ているかしか読み取ることができず、今後のシナリオを把握する材料としては不十分です。

写真を拡大 図1. 沖縄テレビ放送の気象情報のページから注意報・警報を確認した例(https://www.otv.co.jp/weather/

一方、気象庁のホームページを使うと何が分かるのでしょうか? 図1と同じ時刻に確認した情報が次の図です(那覇市の例)。この中では、発表日時、注意警戒事項の記述、発表された情報といった基本的なことだけではなく、今後の推移が図表形式で伝えられています。その図表形式の部分が、今後の展開シナリオを組み立てる際の材料として特に役立ちます。

写真を拡大 図2. 気象庁のホームページから注意報や警報を確認した例

図表の中には3時間ごとの時間軸があり、それぞれの注意報・警報ごとにいつごろ影響するのかということが示されます。この那覇市の例の場合、浸水害(内水氾濫)の可能性が日付が変わる頃まで見込まれ、その間に1時間に最大で30ミリ程度の雨が予測されること、その後も雷を伴った不安定な状態が続くことが見て取れます。備考欄を見ると、竜巻の可能性も指摘されていました。

この例は内水氾濫と落雷だけが対象であったため比較的単純な図でした。台風などのときにはさまざまな事象が起こるので、この図表部分は入り組んだ形となります。例えば下図は、関西空港の滑走路が水没した台風(平成30年の台風21号)の際に空港所在地の自治体に対して発表された注警報の情報ですが、浸水害、土砂災害、暴風、波浪、高潮、雷といった具合にそれぞれの危険性が高まる時間帯が表示されていました。

写真を拡大 図3. 台風の際に発表された注意報・警報の例(出典:気象庁のホームページより)

一見複雑に見えるかもしれませんが、いつ何に警戒すべきかの全体像が見えるため、図表形式の情報はとても役に立ちます。テレビや携帯電話への通知サービスなどで注意報・警報の発表状況を覚知した際には、気象庁のホームページも開いて図表形式の情報も確認するようにしていきましょう。