2020/07/09
パンデミックと心のレジリエンス
■選択肢を広げる2つのアプローチ
これは、例えば次のような方法で身につけることができます。
(1)必要以上に「背伸びしない/縛らない」
仕事でもプライベートでも、思わず「背伸び」したり「縛って」しまうような言葉を使う人はいませんか。「必ずやってみせます」「△△のはずです」といったことです。まじめな人や実直な人にありがちな傾向です。
このようなクセのある人は、自分自身を追い込むだけでなく、相手に対しても寛容ではいられないわけです。考え方に柔軟性がなく、選択の余地を削り取ってしまっていると言ってもよいでしょう。
もしあなた自身、このような言葉をけっこう使っているなあと感じたら、あまり断定的な言い回しにならないように少し工夫してみてください。例えば「やってみましょう」「△△だと思います」くらいでしょうか。
(2)「白黒をつけないと気が済まない」をやめる
一般にビジネスの現場では、白黒をはっきりさせる言い方が好まれます。「正しいか間違っているか」「最高か最低か」「賛成か反対か」「今すぐか後回しか」。このように言い切ることは、見かけ上はシャープで気持ちのよいものですが、下手をすれば他の有望な選択肢や可能性がなくなることを肝に銘じておかなくてはなりません。
もしあなた自身、こうした習慣やクセがあるようだと感じたら、せっかちに判断や結論を急いだりせずに「一時保留にする」「相手に判断をまかせる」というオプションを選んでみるのも悪くないでしょう(あくまで状況次第ですが)。それでも結果は自然についてくることが多いものです。
パンデミックと心のレジリエンスの他の記事
- レジリエンス向上のカギは中間管理職が握っている
- 知らず知らずのうちに選択肢を狭めていないか
- 心に鍵をかけたまま時を過ごさないで
- 時には空を見上げ、大きく息を吸い込んで
- 逆境に負けない力は習慣のなかで身に付く
おすすめ記事
-
競争と協業が同居するサプライチェーンリスクの適切な分配が全体の成長につながる
予期せぬ事態に備えた、サプライチェーン全体のリスクマネジメントが不可欠となっている。深刻な被害を与えるのは、地震や水害のような自然災害に限ったことではない。パンデミックやサイバー攻撃、そして国際政治の緊張もまた、物流の停滞や原材料不足を引き起こし、サプライチェーンに大きく影響する。名古屋市立大学教授の下野由貴氏によれば、協業によるサプライチェーン全体でのリスク分散が、各企業の成長につながるという。サプライチェーンにおけるリスクマネジメントはどうあるべきかを下野氏に聞いた。
2025/12/04
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/12/02
-
-
-
-
-
-
目指すゴールは防災デフォルトの社会
人口減少や少子高齢化で自治体の防災力が減衰、これを補うノウハウや技術に注目が集まっています。が、ソリューションこそ豊富になるも、実装は遅々として進みません。この課題に向き合うべく、NTT 東日本は今年4月、新たに「防災研究所」を設置しました。目指すゴールは防災を標準化した社会です。
2025/11/21
-
サプライチェーン強化による代替戦略への挑戦
包装機材や関連システム機器、プラントなどの製造・販売を手掛けるPACRAFT 株式会社(本社:東京、主要工場:山口県岩国市)は、代替生産などの手法により、災害などの有事の際にも主要事業を継続できる体制を構築している。同社が開発・製造するほとんどの製品はオーダーメイド。同一製品を大量生産する工場とは違い、職人が部品を一から組み立てるという同社事業の特徴を生かし、工場が被災した際には、協力会社に生産を一部移すほか、必要な従業員を代替生産拠点に移して、製造を続けられる体制を構築している。
2025/11/20
-
企業存続のための経済安全保障
世界情勢の変動や地政学リスクの上昇を受け、企業の経済安全保障への関心が急速に高まっている。グローバルな環境での競争優位性を確保するため、重要技術やサプライチェーンの管理が企業存続の鍵となる。各社でリスクマネジメント強化や体制整備が進むが、取り組みは緒に就いたばかり。日本企業はどのように経済安全保障にアプローチすればいいのか。日本企業で初めて、三菱電機に設置された専門部署である経済安全保障統括室の室長を経験し、現在は、電通総研経済安全保障研究センターで副センター長を務める伊藤隆氏に聞いた。
2025/11/17






※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方