2017/10/16
防災・危機管理ニュース

東京都は13日、「東京都医療審議会」の今年度第2回会合を開催。「東京都保健医療計画推進協議会」でとりまとめた2018~23年度までの第6次東京都保健医療計画の骨子の報告を受けた。11月に素案をまとめ、その後11月から2018年1月をめどにパブリックコメントの募集などを実施。今年度中に次期計画を公表する。災害時拠点病院の耐震化やBCP(事業継続計画)策定といった災害医療や救急についても今後の取り組みを盛り込んでいる。
都内に80カ所ある災害拠点病院の耐震化率は2016年9月現在92.5%、BCP策定率は今年3月現在91.3%。都では現計画下でも耐震改修・建て替え支援やBCP策定ガイドライン作成といった取り組みを行っている。次期計画では耐震化のさらなる促進と全病院のBCP策定を目指す。またNBC(核・生物・化学)災害での患者受け入れ可能な医療機関確保へ研修を実施。東京DMAT(災害医療派遣チーム)でもNBC研修を行い、体制強化を行う。災害時の医薬品供給体制強化へ、医薬品卸売業者の車両の一部を緊急通行車両として事前登録する。
救急では2016年の救急患者搬送数が2011年比8.3%増の69万1423件。高齢者の占める割合は4.2ポイント増の50.1%となっている。高齢者への対応強化として、保健・医療・介護の連携を推進。かかりつけ医を持たせたるほか、高齢者の具合が悪くなった際はかかりつけ医や訪問看護師、ケアマネージャーなど関係者が連携し、相談や往診を行えるよう体制を整備していく。また退院後に在宅医療に移行できるよう退院支援マニュアルの活用や、救急車利用減へ救急相談センター(電話#7119)の利用促進も図る。
(了)
リスク対策.com:斯波 祐介
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
「買い物客」守る初動マニュアル 訓練で実効性担保
東北地方を代表する老舗百貨店の藤崎(仙台市青葉区、藤﨑三郎助社長)は3.11を機にBCPを策定。災害時の基本方針とワークフローを明確化するとともに以前から行っていた防災訓練を充実、各地の小規模店舗も網羅しながら初動にかかる従業員の練度を高めている。また、早期復旧と地域支援を事業継続方針に掲げ、百貨店が地域に果たす役割を問い直しつつ、取引先や顧客との新しいつながりを模索する。
2021/03/07
-
改良を積み重ねたサプライチェーン管理手法
東日本大震災では、部品供給網の寸断が大きな課題となった。その後も、災害がある度にサプライチェーン問題が顕在化している。製品に使われる部品そのものが複雑になっていることに加え、気候変動などに伴う異常気象が追い打ちをかける。日産自動車では、東日本大震災前からの継続的なBCPの取り組みと、過去の災害検証を生かしたサプライチェーン管理の仕組みにより、災害対策に手ごたえを感じ始めている。コーポレートサービス統括部担当部長の山梨慶太氏に聞いた。
2021/03/07
-
「オールハザード型BCP」への転換を提案
日本経済団体連合会(経団連)はこのほど、「非常事態に対してレジリエントな経済社会の構築に向けて」と題する提言をまとめた。
2021/03/05