2017/11/28
防災・危機管理ニュース

年明けにも大きな動き
今年大きく動いた北朝鮮情勢。ミサイル発射や核実験が繰り返され、この夏にはJアラートが東日本で2回発動された。防災行政無線などシステムが作動しなかった市長村があったほか、交通機関も一部運転を見合わせるなど混乱も見られた。日本大学危機管理学部次長である福田充教授に展望を聞いた。
福田教授は「年明けまでに危機的状況が近づきつつある」と危惧。来年(2018)中にも北朝鮮による核ミサイル実戦配備宣言がなされる可能性もあることを示した。「北朝鮮は日本を標的としたノドンをすでに実戦配備済みで、核の小型化、弾頭化に成功すれば10~20基の核ミサイル配備能力を持つことになる。もはや交渉の段階は過ぎている」と分析。金正恩・朝鮮労働党委員長は核ミサイルの保有が体制の維持につながると確信していることから、この動きは止まらないと見通している。
米国の先制攻撃も危惧される。トランプ政権は北朝鮮の核兵器保有、実戦配備を認めない方針で、北朝鮮の核ミサイル配備宣言があった際には、米国による軍事的先制攻撃の可能性が高まる。「米国と北朝鮮との間の戦闘、軍事作戦であるが、その攻撃の拠点となる在日米軍基地は、北朝鮮からのミサイルやテロの攻撃目標となる可能性が高い」と福田教授はみている。
国内では3月から秋田県男鹿市をはじめ多くのミサイル対応訓練が実施された。しかし「北朝鮮のミサイル、核問題が発生して20年以上たつ。2003年に国民保護法ができ、Jアラートの運営は2007年に始まっている。もっと早く国民への周知を徹底すべきだった」と福田教授は指摘。メディア報道や政府の広報活動などによって社会教育を強化し、避難訓練の実施により社会の備えを進めることが大事だと述べる。
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/09/16
-
-
ラストワンマイル問題をドローンで解決へBCPの開拓領域に挑む
2025年4月、全国の医療・福祉施設を中心に給食サービスを展開する富士産業株式会社(東京都港区)が、被災地における「ラストワンマイル問題」の解消に向けドローン活用の取り組みを始めた。「食事」は生命活動のインフラであり、非常時においてはより一層重要性が高まる。
2025/09/15
-
-
機能する災害対応の仕組みと態勢を人中心に探究
防災・BCP教育やコンサルティングを行うベンチャー企業のYTCらぼ。NTTグループで企業の災害対応リーダーの育成に携わってきた藤田幸憲氏が独立、起業しました。人と組織をゆるやかにつなげ、互いの情報や知見を共有しながら、いざというとき機能する災害対応態勢を探究する同社の理念、目指すゴールイメージを聞きました。
2025/09/14
-
-
-
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2025/09/05
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方