地域の防災訓練に参加し、キッチンカーで炊き出し。いつどんなときでも食事を提供する「業務継続」が同社に根付いている

現場力の高さは日本型経営の強みでもある。それが逆にマニュアル化を妨げ、業務の標準化を遅らせてもきたが、書面指示がなくても自ら行動する従業員の力によって「何となく」できていることはいまだ多い。医療・福祉施設の給食サービスを主軸とする富士産業(東京都港区)は、2017年にBCPを策定。緊急時の代替調理を支えてきた現場の自発的な取り組みを体系化し、PDCAに落とし込んで平時からまわすことで、ビジネスの継続的改善、さらには企業価値の向上へとつなげている。人が集まれないコロナ禍は労務集約型の業種にとって逆風だが、代替手段の拡充、新たな人材の育成など、チャレンジの種は尽きない。

富士産業
東京都港区

事例のPoint
❶コロナ禍での労務集約の弱点を代替手段でカバー
・労務集約現地生産の食事サービスにとって、人が集まれない状況は逆風。弱点をカバーするため代替手段を拡充。

❷代替戦略を支えてきた「現場力」の高さを体系化
・現場の従業員に依存してきた非常時の代替調理をBCPによって体系化。責任感の高さを誇りとしつつ、人的リソースを守る観点と継続的改善の観点からPDCAに組み込んで平時からまわす。

❸ビジネスの継続と企業価値の再構築に射程を伸ばしたBCP
・これまで「何となく」やってきたことを客観評価できるようにすることをBCPの目的に。これにより、ビジネスの改善、さらには企業価値の再構築まで、取り組みの射程を伸ばす。
本記事は月刊BCPリーダーズvol.16(2021年7月号)にも掲載しています。月刊BCPリーダーズはリスク対策.PRO会員がフリーで閲覧できるほか、PRO会員以外の方も号ごとのダウンロードが可能です。
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