2018/04/06
防災・危機管理ニュース
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国土交通省は6日、「無電柱化推進計画」を公表した。2016年に施行された無電柱化の推進に関する法律(無電柱化法)に基づく初の国の無電柱化計画。今年度から2020年度までの3年間で、東京都心の幹線道路の無電柱化を完了させるなど数値目標も盛り込んだ。目標達成へ約1400kmの無電柱化を行う。
計画では取り組みへの姿勢について「増え続ける電柱を減少に転じさせる歴史の転換期とする」と明言。数値目標については(1)防災(2)安全・円滑な交通確保(3)景観形成・観光振興(4)オリンピック・パラリンピック関連-で設定している。
防災では物資輸送で重要となり、電柱の倒壊による閉塞を避けたい都市部の第1次緊急輸送道路について現状の無電柱化率34%から42%に高める。安全・円滑な交通確保ではバリアフリー化の必要な特定道路で15%なのを51%に引き上げる。
景観形成・観光振興では世界文化遺産周辺の地区を代表する道路で37%を79%に、重要建造物群保存地区を代表する道路で26%を74%に、景観法に基づく景観地区等を代表する道路については56%を70%にまで高める。国交省道路局によると重要建造物群保存地区は京都市や石川県金沢市、埼玉県川越市など、景観地区は京都市のほか東京都葛飾区柴又や神奈川県鎌倉市などがあるという。
2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けては、首都高速中央環状線内側の「センター・コア・エリア」内の幹線道路について現在92%の無電柱化率だが、完了させる。4つの目標達成に約1400kmの無電柱化を要する。
無電柱化の推進に向け、電柱の道路占有には制限を設ける一方、地上機器など無電柱化に資するものについては占用料の減額を行う。現在主流の電線類地中化の共同溝方式ではkmあたり5.3億円かかかるコストについては、浅層埋設や直接埋設といった低コスト化手法の採用、建物の軒下に管を設置しその中に電線類を通しつなげていく軒下配線、電柱を裏通りに立て、表通りに立てる従来よりも目立たなくする裏配線など、電線類地中化以外にも多様な手法を用いていく。
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国の無電柱化計画に基づき、地方自治体も計画を策定していく。東京都では3月29日に今年度から2027年度までの10年間の基本方針などを示した「東京都無電柱化計画」を策定したばかりだが、小池百合子知事は6日の記者会見で「国の計画を受け、都道だけでなく道幅の狭い区市町村道も含め、具体的な整備箇所を示した実施計画を策定する。担当職員には数値目標も含め、さらに都民の理解も得ながら進めるよう伝えた」と述べた。さらに小池知事は「コスト削減が最大のポイントになる。(電線類を)埋めるための深さといった制度面と技術面を総合的に考える必要がある」とした。また再開発などのまちづくりの際に面的な無電柱化を進めるとともに、電柱を新設させない方針も述べた。
都建設局によると、実施計画は2014年度から今年度までの第7期東京都無電柱化推進計画を延長・修正する形をとる。同計画では5年間で都道717km、区市町村道199kmの計916kmの無電柱化整備計画延長などを目標としている。都では今後、策定に向け関東地方ブロック無電柱化協議会や都の部会を通じ、対象路線や長さなどを決めていく方針。
■ニュースリリースはこちら
http://www.mlit.go.jp/report/press/road01_hh_000969.html
■関連記事「無電柱化、重点エリア拡大し防災拠点注力」
http://www.risktaisaku.com/articles/-/5537
(了)
リスク対策.com:斯波 祐介
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