画像を拡大 ようこそ、防災の世界へ! 私が楽しくご案内していきます!(撮影協力:MT-NET)

こんにちは! タレントの時東ぁみです。私は、2007年に防災士の資格を取得してから、14年にわたって防災啓発イベントや講演会などを行ってきました。この連載では、防災士としてのキャリアを生かして、防災の最前線を追い、より良い防災の形を考えていきます。

けれど今回は第1回目ということで、私・時東ぁみの自己紹介をさせてください! 私が防災士になり、現在のような活動を始めたのは、ある挫折がきっかけでした。

家族を守れるってうれしい! 私が見つけた防災のやりがい

私は、高校3年生だった2005年に芸能界デビューしました。当時はタレント活動にはあまり興味がなかったんです。体育大学に進学して体の不自由な人やお年寄りにスポーツを教える職業に就きたいと思っていました。ですが芸能界でお仕事することになり、大学に進学できなくなってしまった……。「体育大に入学して人を助ける仕事に就きたい」と考えていた私にとって、それは「挫折」とも呼べる経験でした。

そんな時、落胆した私を見て、プロデューサーのつんく♂ さんが勧めてくれたのが「防災士」という資格だったんです。

私はちょっと戸惑いました。たしかに、防災士になれば人を助けられるかもしれません。けれど、私が受験した2007年当時、防災士は全国に2.2万人しかおらず、ほとんどの人がその存在を知らないくらいマイナーな資格でした(今でこそ全国で20万人以上が活躍していますが……)。試験会場に行っても女性は私だけ。

それでも、やってみたいなと興味を引かれたのは、防災士になれば「家族を守れる」と思ったから。勉強すればするほど「こうすれば助けられるのか」「こういうことに気をつけなきゃいけないんだ」という発見の連続でした。気がつくと、お仕事の現場にも教本を持っていき、勉強する日々でしたね。

画像を拡大 これが防災士の認証状。白黒印刷の難しい公式テキストを読み込み、2回目の挑戦で合格しました!

防災士の勉強の中で、今でも印象に残っているのが「自然災害によって人が死ぬ」と実感した瞬間です。とある講習の時、先生から「災害時には、倒れた物の下敷きになって死にます」と、はっきり教えられました。その時、災害による死が、リアリティーを持って迫ってきた。すごく怖かったです。と同時に、だからこそ防災が必要なんだと分かりました。

必死で勉強して、防災士の資格を取った時はすごくうれしかったですね。家族の前でも「私がいるから大丈夫だよ」「私、防災士だからみんなのこと守れるよ」と自信満々。まだ新米なのに、なぜそんな自信があったか分からないんですが(笑)。

そうそう、数年前に大雨が降ったことがあり、実家の近くの川が氾濫するかもという事態に直面したんです。その時、親から電話で「どうしたらいい?」と相談されました。そこで、「避難所を調べて」「大切なものはテーブルの上や高いところへ」とアドバイスをしたんです。結果的に、川は氾濫しませんでした。けれども「どうやって行動すればいいか分かっていたから、余計な不安におびえることなく、安心して災害に向き合えた」と家族から感謝されました。防災を学ぶことによって、家族に安心を与えられた。それはすごくうれしかったです。