「楽しい防災」で大切な人を守りましょ!
まずは気軽に実践を

時東 ぁみ
防災士資格の取得(2007年)をきっかけに防災をより身近なものにするべく、エンタメの要素を取り入れながら楽しく伝える活動を展開。防災をテーマにしたラジオ番組やイベントなどに多数出演。上級救命技能、ペット災害危機管理士3級など防災・危機管理に関する資格多数。
2021/09/01
時東ぁみの「防災やってみよっ!」
時東 ぁみ
防災士資格の取得(2007年)をきっかけに防災をより身近なものにするべく、エンタメの要素を取り入れながら楽しく伝える活動を展開。防災をテーマにしたラジオ番組やイベントなどに多数出演。上級救命技能、ペット災害危機管理士3級など防災・危機管理に関する資格多数。
こんにちは! タレントの時東ぁみです。私は、2007年に防災士の資格を取得してから、14年にわたって防災啓発イベントや講演会などを行ってきました。この連載では、防災士としてのキャリアを生かして、防災の最前線を追い、より良い防災の形を考えていきます。
けれど今回は第1回目ということで、私・時東ぁみの自己紹介をさせてください! 私が防災士になり、現在のような活動を始めたのは、ある挫折がきっかけでした。
私は、高校3年生だった2005年に芸能界デビューしました。当時はタレント活動にはあまり興味がなかったんです。体育大学に進学して体の不自由な人やお年寄りにスポーツを教える職業に就きたいと思っていました。ですが芸能界でお仕事することになり、大学に進学できなくなってしまった……。「体育大に入学して人を助ける仕事に就きたい」と考えていた私にとって、それは「挫折」とも呼べる経験でした。
そんな時、落胆した私を見て、プロデューサーのつんく♂ さんが勧めてくれたのが「防災士」という資格だったんです。
私はちょっと戸惑いました。たしかに、防災士になれば人を助けられるかもしれません。けれど、私が受験した2007年当時、防災士は全国に2.2万人しかおらず、ほとんどの人がその存在を知らないくらいマイナーな資格でした(今でこそ全国で20万人以上が活躍していますが……)。試験会場に行っても女性は私だけ。
それでも、やってみたいなと興味を引かれたのは、防災士になれば「家族を守れる」と思ったから。勉強すればするほど「こうすれば助けられるのか」「こういうことに気をつけなきゃいけないんだ」という発見の連続でした。気がつくと、お仕事の現場にも教本を持っていき、勉強する日々でしたね。
防災士の勉強の中で、今でも印象に残っているのが「自然災害によって人が死ぬ」と実感した瞬間です。とある講習の時、先生から「災害時には、倒れた物の下敷きになって死にます」と、はっきり教えられました。その時、災害による死が、リアリティーを持って迫ってきた。すごく怖かったです。と同時に、だからこそ防災が必要なんだと分かりました。
必死で勉強して、防災士の資格を取った時はすごくうれしかったですね。家族の前でも「私がいるから大丈夫だよ」「私、防災士だからみんなのこと守れるよ」と自信満々。まだ新米なのに、なぜそんな自信があったか分からないんですが(笑)。
そうそう、数年前に大雨が降ったことがあり、実家の近くの川が氾濫するかもという事態に直面したんです。その時、親から電話で「どうしたらいい?」と相談されました。そこで、「避難所を調べて」「大切なものはテーブルの上や高いところへ」とアドバイスをしたんです。結果的に、川は氾濫しませんでした。けれども「どうやって行動すればいいか分かっていたから、余計な不安におびえることなく、安心して災害に向き合えた」と家族から感謝されました。防災を学ぶことによって、家族に安心を与えられた。それはすごくうれしかったです。
時東ぁみの「防災やってみよっ!」の他の記事
おすすめ記事
入居ビルの耐震性から考える初動対策退避場所への移動を踏まえたマニュアル作成
押入れ産業は、「大地震時の初動マニュアル」を完成させた。リスクの把握からスタートし、現実的かつ実践的な災害対策を模索。ビルの耐震性を踏まえて2つの避難パターンを盛り込んだ。防災備蓄品を整備し、各種訓練を実施。社内説明会を繰り返し開催し、防災意識の向上に取り組むなど着実な進展をみせている。
2025/06/13
「保険」の枠を超え災害対応の高度化をけん引
東京海上グループが掲げる「防災・減災ソリューション」を担う事業会社。災害対応のあらゆるフェーズと原因に一気通貫の付加価値を提供するとし、サプライチェーンリスクの可視化など、すでに複数のサービス提供を開始しています。事業スタートの背景、アプローチの特徴や強み、目指すゴールイメージを聞きました。
2025/06/11
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/06/10
その瞬間、あなたは動けますか? 全社を挙げた防災プロジェクトが始動
遠州鉄道株式会社総務部防災担当課長の吉澤弘典は、全社的なAI活用の模索が進む中で、社員の防災意識をより実践的かつ自分ごととして考えさせるための手段として訓練用のAIプロンプトを考案した。その効果は如何に!
2025/06/10
緊迫のカシミール軍事衝突の背景と核リスク
4月22日にインド北部のカシミール地方で起こったテロ事件を受け、インドは5月7日にパキスタン領内にあるテロリストの施設を攻撃したと発表した。パキスタン軍は報復として、インド軍の複数の軍事施設などを攻撃。双方の軍事行動は拡大した。なぜ、インドとパキスタンは軍事衝突を起こしたのか。核兵器を保有する両国の衝突で懸念されたのは核リスクの高まりだ。両国に詳しい防衛省防衛研究所の主任研究官である栗田真広氏に聞いた。
2025/06/09
危険国で事業展開を可能にするリスク管理
世界各国で石油、化学、発電などのプラント建設を手がける東洋エンジニアリング(千葉市美浜区、細井栄治取締役社長)。グローバルに事業を展開する同社では、従業員の安全を最優先に考え、厳格な安全管理体制を整えている。2021年、過去に従業員を失った経験から設置した海外安全対策室を発展的に解消し、危機管理室を設立。ハード、ソフト対策の両面から従業員を守るため、日夜、注力している。
2025/06/06
福祉施設の使命を果たすためのBCPを地域ぐるみで展開災害に強い人づくりが社会を変える
栃木県の社会福祉法人パステルは、利用者約430人の安全確保と福祉避難所としての使命、そして災害後も途切れない雇用責任を果たすため、現在BCP改革を本格的に推進している。グループホームや障害者支援施設、障害児通所支援事業所、さらには桑畑・レストラン・工房・農園などといった多機能型事業所を抱え、地域ぐるみで「働く・暮らす・つながる」を支えてきた同法人にとって、BCPは“災害に強い人づくり”を軸にした次の挑戦となっている。
2025/06/06
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方