2014/09/25
ニュープロダクツ
信頼性と品質の高い製品や技術力で
企業組織のBCPや危機管理をサポート
地震や雷などの災害からビジネスの生命線である情報通信ネットワークを守り、総合的なアプローチでBCPや危機管理をサポートする株式会社昭電(東京都墨田区)。情報通信ネットワークの整備やその安全性を高める雷害や地震対策の製品などを次々に開発し高い評価を得てきた同社は、今年10月に創業50周年を迎える。同社では、卓越した技術力を背景に展開してきた「雷害対策」「地震対策」「ネットワーク」「セキュリティ」「ファシリティ」の5つの事業分野を組み合わせた相乗効果を武器に、更なる発展を目指している。
昭電は1965年に設立、電気通信機器の製造販売と関連工事を施工する企業としてスタートした。「社会を支える電気関連のインフラ整備には安全対策が必ず求められた。
研究開発主導で取り組んできたのが当社です」と説明するのは事業推進部長の加藤雅也氏だ。災害対策の第一歩が、落雷による過電圧と過電流を逃がすための装置であるSPDの開発だった。
また、コンピュータやネットワーク機器などを設置する通信機器室で、効率的な空調と配線整理の観点から現在では主流となっている二重床の耐震性を向上させる工法も1970年にいち早く開発。その後、耐震工法だけでなく耐震化フレーム、免震装置などの開発も精力的に行い、そのDNAは現在まで脈々と受け継がれている。東日本大震災でもその技術は実証され、被災地を含め昭電の耐震、免震装置を導入したデータセンターなど1000個所以上の施設では全く被害は見られなかったという。

昭電の製品開発力を支えるのは各地にある研究施設で、世界トップクラスの雷インパルス発生装置を備えるのは千葉市にあるテクノセンタだ。限界性能試験やシミュレーションテストなどを行う雷害対策の研究拠点となり、人や通信機器を雷から守るための製品開発が進む。千葉県香取市にある成田工場には地震波を発生させる試験設備「三次元地震発生波装置」(写真)などが設置され、地震対策の研究と免震装置や耐震フレームなどの製造が行われている。東京都江東区にあるSCセンタでは情報通信技術を支えるハードとソフトウェアの開発が行われ、また通信ネットワークの構築と災害対策、各種設備の設置を担当する建設部門の拠点にもなっている。「通信インフラ構築のノウハウと安全対策の技術をベースに、雷や地震などの各種対策製品やデバイスの開発、販売だけに留まらず災害対策を含めた施設の設計から施工工事まで、またネットワークの構築やシステムの保守管理を担えるのが当社の強みです」と加藤氏は語る。
防災・防犯対策製品を実装したBCP対策モデルパーク
今年5月には防災、防犯対策を兼ね備えた太陽光発電向け「BCP対策モデルパーク」を成田工場内にオープンさせた。再生可能エネルギーである太陽光発電と、安全で安定した発電を支える昭電の災害対策製品と技術を一体化させ稼働展示している。

雷による被害を避ける雷保護システムや発電ネットワークへの雷サージ侵入を防ぐ各種SPD。長らく実現が困難とされた高電圧の直流系統に対応するSPDを独自の直流遮断技術を有した安全性の高い製品、ASLETE ADNシリーズも接続箱や集電盤内に導入した。また、直下型地震だけでなく高層ビルなどで起こりやすい長周期地震動からも重要設備を守る免震装置も設置している。さらに、遠隔地における効率的な防犯管理、保守体制確立のためにトラップ式侵入監視センサ、監視カメラ、パトライトなども配置し、発電データのマネジメントも組み合わせた遠隔監視システムも取り入れた。
太陽光発電の事業継続性に特化したシステムに見えるこのBCP対策モデルパークだが、随所に施された個々の製品だけでなく、その全体像をみると昭電の「雷害対策」「地震対策」「ネットワーク」「セキュリティ」の各事業と、それらを総合的に結びつけ安全性と信頼性を向上させる「ファシリティ」が組み込まれている。BCPの目的は災害が発生したときに被害を軽減し、いち早く復旧にこぎつけ、時間的な機会損失を最小化し企業の利益に結びつけることである。
加藤氏は「見ていただければわかりますが、モデルパークに組み込まれた弊社の安全で安定したシステムは太陽光発電だけでなく、一般的なBCP・危機管理においても非常に役立つものです。創業50周年を迎え、今後もこれまでに培った技術を組み合わせた相乗効果による安全性と効率性をもってお客様のニーズに答えていきたい」と今後の展開を語った。
【お問合せ】
株式会社昭電
〒130-8543東京都墨田区太平4-3-8
TEL:03-5819-8373
URL:http://www.sdn.co.jp/
ニュープロダクツの他の記事
おすすめ記事
-
-
入居ビルの耐震性から考える初動対策退避場所への移動を踏まえたマニュアル作成
押入れ産業は、「大地震時の初動マニュアル」を完成させた。リスクの把握からスタートし、現実的かつ実践的な災害対策を模索。ビルの耐震性を踏まえて2つの避難パターンを盛り込んだ。防災備蓄品を整備し、各種訓練を実施。社内説明会を繰り返し開催し、防災意識の向上に取り組むなど着実な進展をみせている。
2025/06/13
-
「保険」の枠を超え災害対応の高度化をけん引
東京海上グループが掲げる「防災・減災ソリューション」を担う事業会社。災害対応のあらゆるフェーズと原因に一気通貫の付加価値を提供するとし、サプライチェーンリスクの可視化など、すでに複数のサービス提供を開始しています。事業スタートの背景、アプローチの特徴や強み、目指すゴールイメージを聞きました。
2025/06/11
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/06/10
-
その瞬間、あなたは動けますか? 全社を挙げた防災プロジェクトが始動
遠州鉄道株式会社総務部防災担当課長の吉澤弘典は、全社的なAI活用の模索が進む中で、社員の防災意識をより実践的かつ自分ごととして考えさせるための手段として訓練用のAIプロンプトを考案した。その効果は如何に!
2025/06/10
-
-
緊迫のカシミール軍事衝突の背景と核リスク
4月22日にインド北部のカシミール地方で起こったテロ事件を受け、インドは5月7日にパキスタン領内にあるテロリストの施設を攻撃したと発表した。パキスタン軍は報復として、インド軍の複数の軍事施設などを攻撃。双方の軍事行動は拡大した。なぜ、インドとパキスタンは軍事衝突を起こしたのか。核兵器を保有する両国の衝突で懸念されたのは核リスクの高まりだ。両国に詳しい防衛省防衛研究所の主任研究官である栗田真広氏に聞いた。
2025/06/09
-
危険国で事業展開を可能にするリスク管理
世界各国で石油、化学、発電などのプラント建設を手がける東洋エンジニアリング(千葉市美浜区、細井栄治取締役社長)。グローバルに事業を展開する同社では、従業員の安全を最優先に考え、厳格な安全管理体制を整えている。2021年、過去に従業員を失った経験から設置した海外安全対策室を発展的に解消し、危機管理室を設立。ハード、ソフト対策の両面から従業員を守るため、日夜、注力している。
2025/06/06
-
福祉施設の使命を果たすためのBCPを地域ぐるみで展開災害に強い人づくりが社会を変える
栃木県の社会福祉法人パステルは、利用者約430人の安全確保と福祉避難所としての使命、そして災害後も途切れない雇用責任を果たすため、現在BCP改革を本格的に推進している。グループホームや障害者支援施設、障害児通所支援事業所、さらには桑畑・レストラン・工房・農園などといった多機能型事業所を抱え、地域ぐるみで「働く・暮らす・つながる」を支えてきた同法人にとって、BCPは“災害に強い人づくり”を軸にした次の挑戦となっている。
2025/06/06
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方