はじめに
本年1月5日から開始した本連載「スポーツから学ぶガバナンス・コンプライアンス」ですが、何とか上半期を乗り越え、今回で第15回を迎えることができました。読者の皆様に深く感謝申し上げます。
本連載の目的は、スポーツ・インテグリティという概念を手がかりにしつつ、近時の企業経営・組織運営において重視されているガバナンスやコンプライアンスについて、そのあるべき姿を考えていくというものでした。これまでに、スポーツ・インテグリティの概念やその実践例を考察・ご紹介しつつ、それを手がかりにして、コーポレート・インテグリティについて思索し、お伝えしてきたところです。
スポーツ・インテグリティ、コーポレート・インテグリティをはじめとする事項について総論的に概説することを通して、コーポレート・インテグリティの手段・方法としてのあるべきガバナンス、コンプライアンス論に踏み込んでいくための準備は整ったように思います。
そこで、連載第15回となる今回は、今後の連載への架け橋となるようこれまでのまとめをさせていただきます。
スポーツ・インテグリティと
コーポレート・インテグリティ
インテグリティとは、「(主として倫理的・道徳的な観点で)物事があるべき理想の完全無欠な状態にある姿・様子」といえます。
これを前提にして、スポーツ・インテグリティ、そしてコーポレート・インテグリティを考察してきたわけですが、両概念についてまとめると、次の表のようになります。
このように、スポーツや企業は、いずれもが社会により支えられ、生かされた存在であって、その存続のためには、社会からの信頼・応援が必要不可欠となります。そして、その社会からの信頼・応援の獲得・保全のための必要不可欠な基盤・前提が、スポーツ・インテグリティであり、コーポレート・インテグリティなのです。
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方