2016/06/30
ニュープロダクツ
(株)ウイングベースが開発・販売している「防災トランプ」は、慣れ親しんだトランプ遊びをしながら防災について皆で話し合う、というユニークなコンセプトの防災ゲームだ。
カー ドの枚数は普通のトランプと同じだが、ハートやクローバーなどといった記号に加えて「リスク(危険)」、「プリベンション(予防)」、「ダメージ(被 害)」、「レジリエンス(回復力)」の4種類のマークが付けてある。また、個々のカードに「ハザード(危険の原因)」として、「大型の台風が上陸した」、 「自分の家にいる時に強いゆれが起こった」といった文章が書いてある。これらを使って普通のトランプ遊びにひと工夫を加え、ゲームの進行中に、災害に関す る体験談や注意点などについて、お互いに話す場をつくる。
例えばババ抜きであれば、順番にカードを引いていき、引いたカードの数字が手札に 含まれるカードと同じであれば、手札とペアにして2枚を場に捨てる。ここまでは普通のババ抜きと同じだが、もし捨てようとする2枚の中に「リスク」マーク が含まれていたら、そのどちらかのカードに書かれたハザード文章に関して、自分の経験や、気を付けるべきこと、対処行動などを話す。これを「防災発言」と いうが、その「防災発言」に他のプレイヤーが納得してくれたら、カードを捨てることができる(納得されなかったら手札に戻す)。つまり、防災発言がうまく できるほど早く上がれるようにルールにひと工夫を加えている。
他にも「防災スピード」、「防災ポーカー」の遊び方もあるが、基本は同じで防災発言ができると有利になるようにルールを追加している。
カー ド上のハザード文章には、大地震や津波などといった低頻度高インパクトの災害だけでなく、大雨や雷のように高頻度低インパクトの事象まで含まれている。身 近な問題から話し合う機会を、ゲームを通じて増やすことで、災害への対応力を高めることにつなげていく狙いがある。同時に、防災訓練とは何かを、一人ひと りが考え、世代を超えて楽しく話し合うための場づくりを目指している。
(了)
ニュープロダクツの他の記事
おすすめ記事
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/10/21
-
「防災といえば応用地質」。リスクを可視化し災害に強い社会に貢献
地盤調査最大手の応用地質は、創業以来のミッションに位置付けてきた自然災害の軽減に向けてビジネス領域を拡大。保有するデータと専門知見にデジタル技術を組み合わせ、災害リスクを可視化して防災・BCPのあらゆる領域・フェーズをサポートします。天野洋文社長に今後の事業戦略を聞きました。
2025/10/20
-
-
-
走行データの活用で社用車をより安全に効率よく
スマートドライブは、自動車のセンサーやカメラのデータを収集・分析するオープンなプラットフォームを提供。移動の効率と安全の向上に資するサービスとして導入実績を伸ばしています。目指すのは移動の「負」がなくなる社会。代表取締役の北川烈氏に、事業概要と今後の展開を聞きました。
2025/10/14
-
-
-
-
トヨタ流「災害対応の要諦」いつ、どこに、どのくらいの量を届ける―原単位の考え方が災害時に求められる
被災地での初動支援や現場での調整、そして事業継続――。トヨタ自動車シニアフェローの朝倉正司氏は、1995年の阪神・淡路大震災から、2007年の新潟県中越沖地震、2011年のタイ洪水、2016年熊本地震、2024年能登半島地震など、国内外の数々の災害現場において、その復旧活動を牽引してきた。常に心掛けてきたのはどのようなことか、課題になったことは何か、来る大規模な災害にどう備えればいいのか、朝倉氏に聞いた。
2025/10/13
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方