イギリスでは50年ぶりの計画停電?
第16回: 欧州の地政学リスク
ライアン カミムラ
英国の大学院を卒業後、新建新聞社に入社。リスク対策.comの記者、編集者を経て現在某機械メーカーの海外営業部に勤務。主にコロナ前は海外展示会や海外営業担当、コロナ後はオンラインで英語プレゼンに従事。記者時代の経験を生かし、現在も記事、イラスト、翻訳を兼業。
2022/11/08
危機管理で学ぶ英語
ライアン カミムラ
英国の大学院を卒業後、新建新聞社に入社。リスク対策.comの記者、編集者を経て現在某機械メーカーの海外営業部に勤務。主にコロナ前は海外展示会や海外営業担当、コロナ後はオンラインで英語プレゼンに従事。記者時代の経験を生かし、現在も記事、イラスト、翻訳を兼業。
パンデミックの規制緩和による急速な経済活動の再開、ロシアのウクライナ侵攻による天然ガスの供給断絶、記録的なインフレ…。こうした悪条件が重なって、ヨーロッパでは今かつてないほどの深刻なエネルギー不足に直面しています。その中でもイギリスは、とりわけ危機的な状況で、G7の中でエネルギー高騰率が群を抜いてトップ。今年の冬には、オイルショック以来約50年ぶりに計画停電も想定されるなど大問題となっています。
1. The war in Ukraine has demonstrated just how inadvisable over-dependence on a single supplier can be. Russia’s dominance in the European gas market turned into a geopolitical nightmare in the space of a few weeks.
27th of Sep, Financial Times.
ウクライナの戦争は、1つのサプライヤーに過剰に依存することは、いかに得策ではないかを証明する例となった。欧州のガス市場におけるロシアの支配は、数週間の内に地政学的悪夢と化した。
2. Europe has historically relied on Russia for around 40% of its natural gas, most delivered through pipelines including Yamal, which crosses Belarus and Poland to Germany, Nord Stream 1, which runs directly to Germany, and pipelines through Ukraine.
22nd of June, Reuters
ヨーロッパは、約40%の天然ガスをロシアに依存している歴史があり、その大半はパイプラインを通して運ばれる。ベラルーシとポーランドを通ってドイツに届くヤマルLNG、ドイツに直接に届くノルドストリーム1、ウクライナを通るパイプラインもその中に含まれる。
3. There is no sugarcoating it. Energy bills this winter are going to be very grim indeed.
11th of August, Sky news
率直に言って、(イギリスの)今年の冬の光熱費はとても厳しくなる(高騰する)と思われる。
4. Wholesale energy prices it’s been skyrocketing. It peaked invasion of Ukraine but it’s creeping back again now.
11th of August, Sky news
エネルギー費用が急騰し、ウクライナ侵攻時がピークとなった。しかしいつの間にか、そのピークに戻りつつある。
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