長く続いた品質不正を正すには?
第3回 品質不正の根深さと是正への覚悟
![鈴木 英夫](/mwimgs/b/6/-/img_b60138bed92ac0e80b06bb13a7e4992d153454.jpg)
鈴木 英夫
慶應義塾大学経済学部卒業。民族系石油会社で、法務部門、ロンドン支店長代行、本社財務課長など(東京・ロンドン)を務め、その後、外資系製薬会社で広報室長・内部監査室長などを務め、危機管理広報、リスクマネジメントを担当(大阪)。現在は、GRC研究所代表、リスクマネジメント・コンサルタント(兵庫)。リスクマネジメント協会研究員。
2022/11/16
ニュースから探るリスクマネジメントのABC
鈴木 英夫
慶應義塾大学経済学部卒業。民族系石油会社で、法務部門、ロンドン支店長代行、本社財務課長など(東京・ロンドン)を務め、その後、外資系製薬会社で広報室長・内部監査室長などを務め、危機管理広報、リスクマネジメントを担当(大阪)。現在は、GRC研究所代表、リスクマネジメント・コンサルタント(兵庫)。リスクマネジメント協会研究員。
三菱電機の品質不正を巡り、調査委員会が公表した最終報告書でも新たな問題が発覚した。製品試験を受託していた協力会社が「不正をやめたい」と伝えていたが、管理職は具体的な措置は講じず、訴えは放置された。問題として表面化していたにもかかわらず、約2カ月前まで続けられていたケースもあった。「あわよくば発覚は免れられる」「性能には影響ない」などとの不正軽視の姿勢も目立った。(日経新聞:2022年10月21日)
品質に関する継続的な不正は企業文化に根づいている。これまでも三菱自動車工業や日野自動車などの例も報道されている。背景には「性能に実質的な問題がなければよい」などという正当化要因がある。
2022年10月20日に公表された三菱電機の調査委員会の調査報告書(第4報・最終報告)によれば、管理職の関与については、① 管理職が不正を自ら積極的に主導・指示・了解していた場合、②事後的に職制を通じて部下から相談・報告を受けたり、2016年度から 2018年度に実施された点検において部下から相談・報告を受けたものの、適切な是正措置を講じることができなかった場合等が指摘されている。
管理職の関与があった62 件のうち、上記①のケースは 54 件あった。最終報告では「管理職の関与があった事案の大部分において、管理職が不正を自ら積極的に主導・指示・了解して、部下に不正を行わせていた」と記載されている。
品質不正の発生原因としては以下7点が報告されている。
さらに、多数の製作所において品質不正が発生した理由については次のように書かれている(抜粋して紹介)。
これらの要素は、他の会社でも考えられる。
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