日本のデジタル化の課題とは(イメージ:写真AC)

道のり険しいIT後進国からの脱却

マイナンバーをめぐるインシデントが続発(イメージ:写真AC)

本来は、今回から巷をにぎわせているAI(人工知能)に関して論じるつもりであった。しかしその前に、直近で発生しているマイナンバーに関するあまりにも杜撰で目を覆わんばかりのセキュリティ・インシデントに関して語るべきだろう。根底には共通する問題性があり、日本社会が乗り越えるべき大きな課題だと考えるからだ。

このインシデントはそれ自体も問題だが、その対応や説明、そして報道のされようもあまりに稚拙で深刻だ。それは日本が国家としてIT後進国に甘んじている原因にも通じると感じている。このようなレベルの反応では、再発防止によるレベルアップは難しいと言わざるを得ない。

システムは黙って動くわけではない(イメージ:写真AC)

大前提の原理原則をいうと、システムにはバグはあり、ゼロにはならない。そしてシステムは黙って動くだけのものではなく、データの登録・メンテ・出力、サーバの監視、ログのメンテ、不具合情報収集と修正処理などの運用が必要不可欠であり、この運用にもミスやロスはつきもので、決してゼロにならない。

これらのことは、あらゆる創造物に共通の事象であり、万物にエラーは内在している。システムに限った話ではないが、なぜかシステムは特別で完全であるべきとの神話がまかり通り、形のないものと思い込み、見ようともせずに毛嫌いしてはいないだろうか。

逆に専門家と称しながら、その本質を理解していない発信も多い。単なるITヘビーユーザー、デザイン制作経験者、小規模個人システム開発経験者などに過ぎず、本来的なシステム開発・運用経験やプロジェクト運営の本質を理解していないのではと思わざるを得ない解説が多いのだ。

本質論をまともに説明しても、ニュースにする側がまったく無理解で、切り取りによる誤誘導がひどいので無駄だとの意見もあるかもしれない。が、それでも本質的な発信を続けることに本来は意味があるはずだ。

そして極めつけは、主体者であるべきデジタル庁の発信や対応だ。本当にデジタルに精通しているのか疑わざるを得ず、日本として致命的とも感じる。