あなたのオフィスは大地震のときどうなる?
第26回:ビル管理に確認する17のこと

林田 朋之
北海道大学大学院修了後、富士通を経て、米シスコシステムズ入社。独立コンサルタントとして企業の IT、情報セキュリティー、危機管理、自然災害、新型インフルエンザ等の BCPコンサルティング業務に携わる。現在はプリンシプル BCP 研究所所長として企業のコンサルティング業務や講演活動を展開。著書に「マルチメディアATMの展望」(日経BP社)など。
2023/10/20
企業を変えるBCP
林田 朋之
北海道大学大学院修了後、富士通を経て、米シスコシステムズ入社。独立コンサルタントとして企業の IT、情報セキュリティー、危機管理、自然災害、新型インフルエンザ等の BCPコンサルティング業務に携わる。現在はプリンシプル BCP 研究所所長として企業のコンサルティング業務や講演活動を展開。著書に「マルチメディアATMの展望」(日経BP社)など。
首都直下地震や南海トラフ地震が発生した際、オフィスビルの構造やビル管理(防災センター)の行動は、東京や大阪、名古屋などの大都市部にオフィスを構える企業のBCPに大きく影響を与えます。
そもそも自分たちが働くオフィスビルは巨大地震に際し、何ができて何ができなくなるのか、どういう状況が想定されるのかを知ることは、テナント企業のBCPにとって非常に重要です。以下、17の確認事項について、その意図を含めて解説していきます。
【解説】
これらの確認事項には、オフィスビルの耐震構造の確認と、想定される構造被害レベルを把握する目的があります。これらの指標を確認することで、避難行動の要否、発災後にオフィスとして機能するか否かを大まかに確認することができます。
【解説】
ビル管理(防災センター)が初動に際してどのような行動を取るかを確認し、その内容にもとづき、各テナント企業はそれぞれの初動行動を検討します。館内放送か個別連絡かによっても、テナント企業の初動は変わります。また、ビル管理の通信手段の想定と、各テナントが想定しているシナリオとの違いも確認します。
【解説】
発災後、ビルの内部に滞留することが「危険」であるかどうかは、特に復旧フェーズに際して、そのビルが継続して使えるかどうかの判断となります。本来は「建物応急危険度判定」を専門家にしてもらうことになりますが、発災後、直ぐに対応してもらえるとは限りません。オフィスビルの「危険度」は、復旧のBCP対応に大きく影響します。
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