2024/08/30
防災・危機管理ニュース
台風10号は30日午後、瀬戸内海を東へ進み、午後9時ごろ、愛媛県四国中央市付近に再上陸した。暴風域はなくなったが動きが遅く、九州や中国地方西部、四国のほか、関東や東海、近畿でも断続的に大雨となった。台風による死者は、佐賀県鹿島市の80代男性が新たに認定されるなどし、計6人となった。気象庁は引き続き、土砂災害や低地の浸水、河川の増水に厳重に警戒するよう呼び掛けた。
台風は31日にかけて紀伊半島方面へ進み、9月1日までに近畿付近で熱帯低気圧に変わる見込み。関東から近畿付近の大雨は、暖かく湿った空気が太平洋高気圧の縁を時計回りに回って流れ込んでいるのも要因という。
同庁によると、発達した雨雲が連なる線状降水帯は、東海と近畿で31日午前にかけて発生する可能性がある。
各地の消防などによると、台風による死者は、愛知県蒲郡市で起きた土砂崩れによる3人のほか、徳島県上板町の80代男性、佐賀県鹿島市の80代男性、福岡県築上町の川で発見された80代男性。
このほか、鹿児島市では港で作業船が転覆して男性船長が行方不明となり、その後、付近で漂流中の遺体が見つかった。ほかに1人が死亡しており、消防などが関連を調べている。
総務省消防庁によると、30日午後2時時点で宮崎県で40人、鹿児島県で24人など計99人が重軽傷を負うなどした。
北九州市小倉南区では30日午前7時半までの24時間雨量が474ミリ、静岡県熱海市では同日午後5時40分までの同雨量が375.5ミリと、いずれも観測史上最多記録を更新した。埼玉県川越市と神奈川県二宮町では一時、5段階の警戒レベルで最も高い緊急安全確保が発令された。
10号は30日午後9時、四国中央市付近を時速20キロで東へ進んだ。中心気圧は996ヘクトパスカル、最大風速18メートル、最大瞬間風速25メートル。半径330キロ以内が風速15メートル以上の強風域。
9月1日午前0時までの24時間予想雨量は多い所で、東海400ミリ、近畿300ミリ、四国と関東甲信150ミリ、中国と北陸120ミリ。その後、2日午前0時までの同雨量は、東海400ミリ、近畿300ミリ、関東甲信200ミリ、北陸120ミリ、四国100ミリ。
〔写真説明〕台風の影響で増水した多摩川=30日午前、川崎市高津区
(ニュース提供元:時事通信社)

防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
-
ゲリラ豪雨を30分前に捕捉 万博会場で実証実験
「ゲリラ豪雨」は不確実性の高い気象現象の代表格。これを正確に捕捉しようという試みが現在、大阪・関西万博の会場で行われています。情報通信研究機構(NICT)、理化学研究所、大阪大学、防災科学技術研究所、Preferred Networks、エムティーアイの6者連携による実証実験。予測システムの仕組みと開発の経緯、実証実験の概要を聞きました。
2025/08/20
-
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/08/19
-
-
-
-
「自分の安全は自分で」企業に寄り添いサポート
海外赴任者・出張者のインシデントに一企業が単独で対応するのは簡単ではありません。昨今、世界中のネットワークを使って一連の対応を援助するアシスタンスサービスのニーズが急上昇しています。ヨーロッパ・アシスタンス・ジャパンの森紀俊社長に、最近のニーズ変化と今後の展開を聞きました。
2025/08/16
-
-
白山のBCPが企業成長を導く
2024年1月1日に発生した能登半島地震で震度7を観測した石川県志賀町にある株式会社白山の石川工場は、深刻な被害を受けながらも、3カ月で完全復旧を実現した。迅速な対応を支えたのは、人を中心に据える「ヒト・セントリック経営」と、現場に委ねられた判断力、そして、地元建設会社との信頼関係の積み重ねだった。同社は現在、埼玉に新たな工場を建設するなどBCPと経営効率化のさらなる一体化に取り組みはじめている。
2025/08/11
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方