2024/09/05
防災・危機管理ニュース
コメの品薄問題で、欠品が生じていた一部のスーパーの店頭に2024年産米(新米)が並び始めた。農林水産省は新米の本格流通開始で「品薄となっている状況は順次回復していく」(坂本哲志農水相)との見通しを示すが、価格は上昇した状態が当面続きそうだ。
「昨年は1500~2000円で推移していたが、今は3000円を超えている」「今のままだと消費減退リスクがある」。スーパー店頭に並ぶ精米5キロ当たりの販売価格について、4日に農水省が開いたコメの取引状況に関する意見交換会では、米穀卸売業者からこんな声が上がった。
9月第1週(8月31日~9月6日)の卸売り大手9社の精米販売数量は前年同期比3%増となり、供給量は週を追うごとに増えていく見通し。それでも高値が続きそうな背景には、生産費の上昇を受け、全国農業協同組合連合会(JA全農)が新米を集荷する際に前払いする「JA概算金」を昨年産と比べ2~4割程度上げていることがある。
新米への切り替えで流通在庫が減る8月の端境期に南海トラフ地震の臨時情報発表などを受けて消費者の買いだめが発生し、品薄感が強まった影響も残っている。
概算金の水準は店頭価格に影響する。これから本格流通する富山県産コシヒカリでは昨年産比2割超、秋田県産あきたこまちは4割近く上昇。生産量トップの新潟県産の銘柄でもアップしている。
一部の産地では、JAと民間業者の間で新米の集荷競争が激しくなっている。業界関係者の間では、概算金の引き上げを予想する見方も出ており、小売価格に跳ね返る可能性もある。
〔写真説明〕新米の販売を開始した売り場=8月2日、東京都小平市
(ニュース提供元:時事通信社)

- keyword
- 物価高
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
-
ゲリラ豪雨を30分前に捕捉 万博会場で実証実験
「ゲリラ豪雨」は不確実性の高い気象現象の代表格。これを正確に捕捉しようという試みが現在、大阪・関西万博の会場で行われています。情報通信研究機構(NICT)、理化学研究所、大阪大学、防災科学技術研究所、Preferred Networks、エムティーアイの6者連携による実証実験。予測システムの仕組みと開発の経緯、実証実験の概要を聞きました。
2025/08/20
-
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/08/19
-
-
-
-
「自分の安全は自分で」企業に寄り添いサポート
海外赴任者・出張者のインシデントに一企業が単独で対応するのは簡単ではありません。昨今、世界中のネットワークを使って一連の対応を援助するアシスタンスサービスのニーズが急上昇しています。ヨーロッパ・アシスタンス・ジャパンの森紀俊社長に、最近のニーズ変化と今後の展開を聞きました。
2025/08/16
-
-
白山のBCPが企業成長を導く
2024年1月1日に発生した能登半島地震で震度7を観測した石川県志賀町にある株式会社白山の石川工場は、深刻な被害を受けながらも、3カ月で完全復旧を実現した。迅速な対応を支えたのは、人を中心に据える「ヒト・セントリック経営」と、現場に委ねられた判断力、そして、地元建設会社との信頼関係の積み重ねだった。同社は現在、埼玉に新たな工場を建設するなどBCPと経営効率化のさらなる一体化に取り組みはじめている。
2025/08/11
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方