2024/11/23
防災・危機管理ニュース
【シドニー時事】オーストラリア政府の個人情報保護に関する監視機関「豪情報委員会」は、大手量販店が客の同意を得ず顔認証による防犯システムを運用していたのは違法だとして、停止を命令した。店側は処分を不服として、行政審判所に異議を申し立てた。
情報委の調査によると、ホームセンターをチェーン展開する「バニングス」は2018~21年、国内63店舗で顔認証を実施。十分に告知しないまま、監視カメラで来店者全員の顔を確認し、犯罪やトラブルの履歴があるブラックリスト登載者を割り出すのに使っていた。リスト登載者が来店した場合、退店を求めるなどしていた。顔認証の対象は延べ数十万人に上るという。
情報委は「顔は機微に触れる個人情報だ。来店者が自分の情報を収集されていると気付かない形で運用されており、プライバシー侵害に当たる」と指摘。19日付でバニングスに対し、システム停止やデータの削除を命じた。
これに対しバニングスは「問題ないと判断された人の情報は0.00417秒後に削除した。運用の途中からポスターなどで告知もした」と反論。店が強盗に襲われた映像を公開し、「顔認証は従業員と顧客を暴力や犯罪から守ることが目的だ」と訴えており、行政審判で処分の見直しを求める構えだ。
〔写真説明〕顔認証の防犯システムの停止命令を受けたバニングスの店舗=22日、オーストラリア・シドニー郊外
(ニュース提供元:時事通信社)

- keyword
- 顔認証違法
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2025/07/05
-
-
-
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/07/01
-
-
-
「ビジネスイネーブラー」へ進化するセキュリティ組織
昨年、累計出品数が40億を突破し、流通取引総額が1兆円を超えたフリマアプリ「メルカリ」。オンラインサービス上では日々膨大な数の取引が行われています。顧客の利便性や従業員の生産性を落とさず、安全と信頼を高めるセキュリティ戦略について、執行役員CISOの市原尚久氏に聞きました。
2025/06/29
-
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方