連載・コラム
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戦略的にリスクをテイクする!
一部上場企業である製造業A社のリスク担当部署に、Bさんはこの4月に着任しました。 A社ではこれまでリスク担当部署が中心となり、内部統制やコンプライアンス体制の整備、BCP(事業継続計画)の策定などを行ってきました。 近年A社では、社長が「攻めのリスクマネジメント」ということを言っています。というのも、東京証券取引所が規定した「コーポレートガバナンスコード」によって、上場企業の取締役会等の責務として「経営陣幹部による適切なリスクテイクを支える環境整備を行うこと」が決められたため、社長が口にするようになったということでした。コーポレートガバナンスコードは、持続的成長と中長期的な企業価値の向上のための自律的な向上を行うことを企図して策定され、各企業は、中長期的・継続的にコーポレートガバナンスの改善および最適化を図らなければならないとされているものです。
2019/08/27
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明治期お雇いオランダ人技師、ファン・ドールン
ファン・ドールンの銅像(本山白雲作)が福島県の猪苗代湖北西湖畔の日橋川・十六橋の傍らに湖面を見つめて立っている。この立像は明治初期にお雇外国人として招へいされたオランダ人技師中で最初に建立された。80年以上を経過した今日も、銅像の発する威光はいささかも衰えを見せていない。第二次世界大戦の最中、銅像が政府の命令で金属供出にさらされそうになった際、地元の農民等が銅像を足元から切り離して地中に隠し、戦後になって再び台座に納めた。戦時中の勇気ある行為はよく知られた逸話だが、安積疏水(あさかそすい)の恩恵を受ける地元民のドールンに対する敬愛の念をあらためて伝える。
2019/08/26
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「安全は他者に対する敬意の表れである」
前回コンシューマビジネスのCEOであるJeff Wilke(ジェフ・ウィルケ)が安全の文化をアマゾンに持ち込んだという話をさせて頂きました。その中で取り上げたSPACER、これはS=Safety(安全)、P=Purpose(目的)、A=Agenda(議題)、C=Code of Conduct(行動規範)、E=Evaluate(評価)、R=Roles(役割)という構造で会議を行っていくというものですが、その先頭にあるのがSafety(安全)です。アマゾンのオペレーション部門の会議では常に安全から始まります。それは実際にどのようなものなのか、会議の光景を交えながら説明させて頂きます。
2019/08/06
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米の質を高めれば被災者の健康が改善される!
普段、私たちが食べている主食は、米以外にパンや麺などさまざまですが、東日本大震災で最もよく食べられたのは米でした。熊本地震でも、国がプッシュ作戦で食料支援した主食のうち最も多かったのは米です。米飯の比率は食料全体の支援の約半量を占めました。米飯が果たす役割はそれだけ大きいと考えられます。そこで、今回は米の質を高める提案をしたいと思います。なぜなら、これまでの回で指摘してきたように、災害時は普段の食事に比べて栄養が不足し健康を保ちにくいからです。主食だけで、おかずが無いというお粗末な状況に陥ることもこれまでに紹介してきた通りです。
2019/08/06
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第2回 トイレ問題は命にかかわります
前回の記事では、「水洗トイレはシステムであること」「トイレは、備えや支援から抜け落ちること」「排泄は待ったなしであること」を書きました。 簡単にまとめると、大きな地震や水害のときは水洗トイレが使えなくなります。ですが、発災後6時間以内に約7割の人がトイレに行きます。トイレの備えがなければ、トイレが大小便で一杯になり劣悪な衛生状態となります、という話でした。 もちろん劣悪なトイレは超不快なので、それだけでも問題なのですが、そこが問題の本質ではないのです。先に結論を言うと、トイレ問題は命にかかわります。トイレ問題が引き起こす2つの深刻な事態とは「一人一人の健康被害」と「集団での感染症」です。いずれも関連死につながる重大な課題として認識すべきです
2019/08/02
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