連載
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台風21号、関空は戦った
災害は戦いであると私は思っています。私も昨年は戦いました。誰と戦ったのか。相手は「台風21号」です。戦いの翌朝、自宅の屋根を見上げると瓦があちこち向きを変え、庭にあったはずの小道具は消えていました。海辺の自宅(兵庫県芦屋市)は、海に流されてもおかしくないほど揺れました。「あーもう終わりかな」と恐怖におびえていました。
2019/02/26
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第1回 社内調査と捜査は違う
近時、不祥事を防ぐための内部統制を整備する必要性が広く認識され、また、内部通報制度の整備など、不祥事が発生した際の企業の自浄能力強化を図る企業も年々増えています。一部上場会社では、90%以上の会社が既に内部通報制度を完備しているとのアンケート調査結果もあります。しかし、現実に企業不祥事が発生し、内部通報があった場合に、どのような手順で、どのような点に注意して社内調査を進めるべきかについて具体的イメージを持っていない企業は少なくありません。
2019/02/25
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関東大震災後の鉄道網整備、政治介入と破綻
鉄道が経済と文化の大動脈であることは古今を問わず定理となっている、と言える。近現代は、より大量に、より早く、ヒト・モノ・カネ・情報が行きかう時代である。明治期半ば以降、近代化を急ぐ日本は鉄道こそ富国強兵の「カギ」であり、新しい公共事業(投資)の要だとの方針を掲げた。
2019/02/25
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第6回 なぜ戸建住宅火災で死亡するのか
昨年暮れから今年に入り戸建住宅の火災が連日のように発生し多くの犠牲者が出ています(2019年2月4日現在)。共同住宅での火災も見受けられ、けが人(煙による中毒)も出ています。
2019/02/19
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歯止めなき防衛予算、新防衛大綱で空母化を明記
私は、国民の多くが安倍政権の掲げる「憲法改正」と「歯止めなき防衛予算の増額」に不安を抱いている、と信じる。そこで、「防衛費の突出」にしぼって、東京新聞と朝日新聞の関連記事を適宜引用し、その危険性をあらためて考えてみたい。両紙から引用するのは、その論調や見識が他紙に比べ同意したい点が多いからである。
2019/02/18
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幕末の遣米使節団、大統領に謁見
今から約160年前、開国に踏み切った徳川幕府はアメリカに使節団を派遣した。使節団首脳部はじめ従者らサムライ77人には、遥かな異国の地で見るもの、聞くもの、驚きの連続だった。衝撃と言っていい。「民主主義国家」の現場に立った彼らは何に覚醒したのか。今日の日米関係に照らしてみても示唆する事象はないか。ワシントンでの大統領謁見を中心に据えてその意味合いを確認したい。
2019/02/12
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日替わりメニューを備蓄する企業の挑戦
この話は2014年7月にさかのぼります。わたしはある用事で埼玉県川口市にある鏡のメーカー、コミー株式会社を訪ねました。用事は30分で終わりました。すると社長さんが「あなた防災食の専門家ですよね」と話を持ちかけました。防災食を備蓄している部屋に案内され「コメントを!」とたたみかけてこられました。
2019/02/12
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第12回(最終回):不老長寿はAIで実現!?
事故の記録を残す装置として、航空機にはフライトレコーダーやボイスレコーダーがあり、街中ではドライブレコーダーを搭載する車も多く見かけるようになりました。筆者などは、飛行機のフライトレコーダーにもドライブレコーダーのようなビデオ機能を付ければ良いのにと思うことがあります。しかし少し考えてみると、航空機はとても大きいので、街中の防犯カメラのように機体内外のあちこちに設置していないと、どの箇所でどんな不具合が発生したかは追跡できない。自動車のドライブレコーダーのような前方のコックピットからの映像だけでは、せいぜいクラッシュした場面しか映らないから、事故原因の究明にはつながりません。
2019/02/07
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災害関連死防止へ法制度での担保を
2018年10月13日に開催された「第1回災害関連死ゼロフォーラム」の「専門セッション3:生活継続」では、「災害関連死とはそもそも何か 法政策上の課題」と題してお話しをさせていただきました。その概要と今後の展望について簡単にまとめます。
2019/02/05
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北上川を救え!大河はよみがえった
やわらかに 柳あおめる 北上の 岸辺目に見ゆ 泣けとごとくに天才歌人石川啄木の短歌である。北上川は、今日鮭が遡上し白鳥が飛来する東北地方が誇る最大の清流である。この大河が戦前から戦後にかけてほぼ半世紀もの間、松尾鉱山から流出する強酸性廃水によって、死に瀕していたことを知る人は意外に少ない(旧制中学生時代の啄木は、明治35年こと1902年に足尾銅山鉱毒事件の惨状を嘆いて短歌を読んでいる。夕川は 葦は枯れたり 血にまどう 民の叫びの など悲しきや)。
2019/02/04
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避難所・被災生活改善へ具体的アクションを
2018年10月15日に開催致しました「災害関連死ゼロフォーラム 第1回全国大会シンポジウム」について、本フォーラムの概要と今後の展望をご紹介致します。
2019/02/04
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落雪など雪の後の雨が怖い
暖冬少雪の今年、筆者の住む新潟長岡は例年1mを越える雪の壁に覆われるのが、今年はこれまで10cm程度。あとひと月この気候が続けば春の便りも近そうである。
2019/01/31
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ビジネスにおけるレジリエンスをつくりだすための3つの単純な質問
ビジネスのレジリエンスを開発することができますか? 答えは以下の3つの質問に集約することができます。 1.何か問題が生じる可能性がありますか? 2.事態が悪化するのを防ぐためにあなたに何ができますか? 3.事態が本当にこじれた場合、あなたはどうやって対処しますか?
2019/01/30
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幕末の幕臣・小栗忠順、再々説~大きな功績と無残な最期~
幕末の列強による外圧と国内の攘夷の烈風の中、世界を見据えていち早く新国家構想を打ち出した人物は誰か。元治元年(1864)にすでに、4年がかりの計画で横須賀に大造船所を建造すべく計画を立てた人物は誰か。歩兵・騎兵・砲兵の3編成の近代的軍隊をつくったのは誰か。対外為替相場を有利に改定し、貨幣を改鋳し、今までの不換紙幣を改めて、日本最初の兌換紙幣を発行させたのは誰か。日本にコンパニー(貿易商社)を設立し、外国との取引を有利にしようと試みた者は誰か。
2019/01/28
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第11回:AIと山火事の発生予測
アメリカではたびたび山火事が発生します。近年はとくにこの種のニュースを見聞きする回数が増えたと感じているのは筆者だけではないでしょう。2018年11月上旬には、米カリフォルニア州北部の複数のエリアでこれまでにない大規模な山火事が発生しました。この大火はハリウッドスターが多く住むリゾート地にも到達し、ウィル・スミスなど多くのセレブたちがSNS上で被害状況を伝えたり、一般市民に避難を呼びかけたり、消防士たちに感謝の気持ちをつづっているのが印象的でした。
2019/01/24
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ドイツの文豪ゲーテ:18世紀「疾風怒涛時代」の<知の巨人>
Wandrers Nachtlied J.W.von Goethe Über allen Gipfeln Ist Ruh, In allen Wipfeln
2019/01/21
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幻の東京オリンピック大会
戦後2回目の東京オリンピック大会が来年に迫った。そこで戦前の<幻の東京オリンピック>を再考したい。それは戦前の暗い時代を象徴する事件と言える。よく知られた史実も少なくないが、あえて煩瑣(はんさ)をいとわず記してみたい。
2019/01/15
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第10回:地震への迅速な対応を指南してくれるのは…
実験室レベルではあるものの、AIを使えば地震の発生を予知できる可能性はあるらしい。前回はそんな話を取り上げました。地震の予兆となる音響パターンをコンピューターに学ばせれば、その前兆を捉えられるようになるというのです。
2019/01/10
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軍部が<言論の自由>を奪った暗黒時代
言論の自由は民主主義の根幹である。言論の自由への軍部の介入という昭和初期の暗黒時代を、朝日新聞(東京・大阪本社)の報道ぶりを中心に検証してみる。「新聞と『昭和』」(朝日文庫)が最良の文献の一つであり、張作霖爆殺事件以降の言論弾圧を取り上げてみたい。既によく知られた史実も多いが、今日の言論の自由の問題を考えるよすがともしたい。同書を参考にし、一部引用する。
2019/01/07
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事業継続とリスクマネジメントの関係性は?
事業継続とリスクマネジメントにはどういった関係性があるのでしょう?
2018/12/26
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<最後の将軍>徳川慶喜と孤高の芸術的感性
明治維新150年も間もなく終わる。徳川幕府・800万石最後の将軍の生き様を語りたい。
2018/12/25
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第9回:AIで地震は予知できるか?
地震の予知は私たち日本人にとってある意味悲願でもあります。地震学者たちは長年にわたって地震予知の研究に取り組んできましたが、今一つ決め手に欠けるのです。地震発生のメカニズムはわかりますが、肝心のいつどのくらいの強さで発生するのかがはっきりしません。
2018/12/20
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第5回 火災による死亡原因のほとんどは「煙」にあった
本連載「防災オヤジーズ」も、今回で5回目となります。 これまで過去数回にわたり、火災時の初期消火の必要性を解説してきました。
2018/12/18
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西南戦争後疲弊した鹿児島県を救った名知事・加納久宜
鹿児島市内を歴史散歩すると、西郷隆盛・大久保利通はもとより、幕末から明治期に国政を動かした薩摩閥の歴史上の人物の立像・史跡に至る所で出くわす。市内の旧県議会堂近くに、旧薩摩藩出身ではない元知事(華族)の見上げるような顕彰碑(頌徳碑)が立っている。加納久宜(かのう ひさよし)の顕彰碑である。加納が西南戦争後の疲弊しきった鹿児島県をいかに救ったか。その人生と功績を考える。今日の政治・経済政策や教育行政にも示唆するものがあろう。とりわけ政治行政に携わる者の資質を考えたい。
2018/12/17
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米国紙NYTの若き発行人は断言する~<トランプ政権にも恐れることなく向き合う>
アメリカのドナルド・トランプ大統領が声を荒げて連発する「フェイクニュース(虚偽報道)」との「暴言」に対してアメリカの主要メディアはどう考え、どう反応しているのだろうか。ジャーナリストだった私は重大な関心を持ってきた。メディアに面と向かって「フェイクニュース(虚偽報道)」と叫ぶような大統領が民主主義国家アメリカに登場したのである。
2018/12/10