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事業継続と復興支援を両立。「何をすべきかが共有できた」
宅配大手のヤマト運輸は、地震発生から14日後の3月25日、岩手、宮城、福島の3県全域で宅配サービスを本格的に再開した。東日本大震災では、東北地方を中心に多くの営業所が被災し、うち、9店が津波により全壊した。こうした中、同社ではBCPの基本方針に従い、ヤマトグループ内の関連会社と協力しながら現地の宅配事業の早期復旧を果たした。
2017/03/10
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「復旧作業」が最大の使命。企業市民としての役割
大林組では、BCPの基本方針として「インフラの復旧工事への協力」、「施工中現場の早期再開」、「施工済み物件の復旧支援」の3つを震災発生時に優先すべき業務と定めている。東日本大震災では、震災直後からインフラ復旧の協力体制を整え、早期の初動対応を実現。その後も全社一丸となって復旧活動に取り組んだ。
2017/03/10
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最優先で受注を中止。消費者への負担を避ける
住宅機器メーカー大手のクリナップでは、福島県いわき市にある主力工場群が、東日本大震災の影響により、水道などのライフラインの停止や燃料不足、調達先のサプライヤーの被害を受け、操業を停止した。同社では、即座に受注を中断、さらに震災前に成立していた契約をすべてキャンセルすることで、消費者への影響を最小限にとどめた。震災直後から災害対応にあたった同社総務部長の島崎憲夫氏に事業が復旧するまでの取り組みを聞いた。
2017/03/10
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BCPを支えたもの~工場全壊から被災前を上回る勢い~
本誌5月25日号 (Vol.25) で紹介した、 津波で壊滅的な被害を受けがらもBCPの発動により被災後8 日で事業を再開させたリサイクル会社の株式会社オイルプラントナトリ (宮城県名取市)。現在同社は プラントの全面復旧を進めながらも、 既に被災前と同じ売上を確保するまでに事業レベルを回復させた。 同社のBCPを支えたものは何か。 再び現地を訪れた。
2017/03/10
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医療ガス供給で患者の命を守る LPガスを利用した車両・施設の燃料確保
家庭用・産業用・医療用ガスの製造と関連サービスを提供する北良株式会社(岩手県北上市)は、同社で製造するLPガスを、車両燃料や工場の非常用発電機の燃料に活用することで、災害時にエネルギーが不足しても事業を継続できる。
2016/11/29
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BCPと環境の一体的推進 有事の燃料調達を避けるために
佐川急便を中核に物流インフラを担うSGホールディングスでは、事業継続マネジメントと環境マネジメントの取り組みを併せて行うことで、平時から燃料への依存度を低くするとともに、災害時にも確実に事業が継続できる体制を構築している。環境負荷低減に加え、企業としてのエネルギーセキュリティの観点から天然ガス車を積極的に導入するなど、事業の効率化に加えて車両そのものを減らすことで有事の燃料調達をできる限り避ける。これまでの成果を聞いた。
2016/11/28
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営業継続が安心をもたらす センターや工場被災でも商品届ける
電気、ガス、水道、通信などのライフラインに続き、被災時に重要になるのが、食品や日用生活品を販売するスーパーやコンビニエンスストアの存在だ。店舗の営業継続は被災地域に食料をはじめとした生活必需品を届けるだけでなく、安心をもたらす。東日本大震災後のローソンの取り組みを取材した。
2016/11/22
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総検証BCP 東日本大震災を生き抜いた16社の証言
本誌では、3月11 日の東日本大震災においてBCP(事業継続計画)がいかに機能したのか、その実際を取材してきた。津波により壊滅的な被害を受けながらもBCPの発動により約1週間後から業務を再開させた宮城県名取市のオイルプラントナトリ、10 mの津波も想定したBCPをつくり事業を止めることなく継続し続けた仙台市の皆成建設をはじめ、大企業から中小企業まで16社を誌面で紹介してきた。今号では、これらの企業の証言から見えてきたBCPの実効性を高めるポイントを紹介する。
2016/11/22
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燃料と専属車両を事前確保 災害時に備えた燃料調達BCP
株式会社日立物流では、東日本大震災での燃料不足を教訓に「燃料調達BCP」を策定した。災害時に同社所有のトラックや外注協力会社のトラックが3日間は運行できる燃料を平時から燃料会社に備蓄してもうとらともに、災害時には専属のタンクローリーが同社の要請に応じて各備蓄拠点から燃料を必要とする営業所に向けて出動できる体制を整えている。
2016/11/20
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責任と権限を明確にする 大切なのはリーダー
最先端のテクノロジーで世界のIT産業を牽引し続けるIBM。170カ国以上でビジネス展開する同社にとって、BCPは、そのブランド力を保持する上でも、表面的な「形」だけではなく、現場社員までを含めた組織全体の文化になっていることが求められる。
2016/11/06
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従業員の意識が変わる! BCP先進企業が明かす教育手法
半導体の元となるシリコンを切断、切削、研磨する半導体製造装置の製造と販売を行う株式会社ディスコ(東京都大田区)。高度な技術でそのシェアは約7割と世界をリードする企業だ。同社は2008年に事業継続マネジメントシステムの英国規格BS259992を取得し、2012年には国際規格となったISO22301の認証を日本で最初に取得した(本誌調べ)。従業員教育にも余念はない。今年度は全社の事業継続の活動目標にBCPの実行力向上を掲げ、実動演習の回数の増加と、従業員が自身の身を守れるようになる活動に取り組んでいる。
2016/11/06
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年間550回以上も訓練 全従業員で来場者と帰宅困難者の安全確保
東京ドームをはじめ、遊園地やスパ、ホテルなどが集積する東京ドームシティは、都心にある唯一の大規模レジャースポットだ。子どもから大人まで年間3700万人以上の人々が訪れ1年を通して混雑する場所でもある。この来場者に加え、災害時には、行き場の無い帰宅困難者が押し寄せる。運営する株式会社東京ドーム(東京都文京区)にとって、防災や安全対策は、全社員が取り組む最優先課題となっている。
2016/11/06
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従業員に応急処置法訓練(鈴与株式会社)
物流大手の鈴与株式会社は7月19日、従業員の居住地域ごとに編成している地域交流会の活動の一環として従業員に緊急時の応急手当て訓練を実施、訓練に先立ってトリアージについて復習した。なぜ、通常は医師や看護師などの医療関係者がすべきトリアージや応急手当を従業員に訓練するのか。同社の若手社員が主体となって企画した訓練を取材した。
2016/10/04
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組織体制をシンプルに(中外製薬)
大手製薬会社の中外製薬もEHSを統合させた全社的マネジメント体制の整備を進めている。本社や支店、工場、研究所をそれぞれ1つの事業所とみなし、CSR 推進委員会が統括する体制だ。これまで工場で認証取得していた環境マネジメントシステムISO14001を応用し、すでに効果が出始めているという。
2016/09/27
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海外顧客の要求に応える(SCREENグループ)
半導体の製造装置や液晶テレビなどに使われるフラットパネルディスプレー製造装置などの開発を手がけるSCREENグループは、国内ではいち早くEHSの取り組みをスタートさせ、現在グループ全体で環境と労働安全、さらには防災・事業継続を一体的に推進している。理由は海外のメイン顧客である半導体メーカーからの国際標準に準拠したさまざまな活動の要求だった。
2016/09/26
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ホースで愛社精神を養う~月に2回、実戦さながらの防災訓練~
「そこのホースがたるんでるぞ!」「もっと速く走れ!」──。月に2回実施される、JFEスチール西宮工場(兵庫県西宮市)の防災訓練は、実戦さながらに怒号が飛び交う。社員で構成された自衛消防組織の隊員は、公設消防と同じ装備を着装し、自社で保有する消防車を巧みに操っていた。
2016/09/11
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BCMに自衛消防組織を位置づけ
東日本大震災の余震が続く2011年3月15日、静岡県東部を震度6強の地震が襲った。同県富士市に本社を構える自動車部品メーカーのジヤトコ(JATCO)は、工場などに深刻な被害を受けた。同社は自動車用変速機(CVT)において世界シェアトップの約50%を製造する。現在、同社では震災の教訓からBCM(事業継続マネジメント)を強化するとともに、自衛消防組織を活用し、災害に備えた訓練を繰り返し実施している。
2016/09/11
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常に先手の対応(工務店② 新産住拓株式会社)
「兄が東日本大震災を経験した工務店から、被災地でどのようなことが発生したか、工務店がどんなことに困ったかを詳細に聞き取り、教えてくれたことで次に何をすべきかを判断しやすくなった」と語るのは新産住拓代表取締役社長の小山英文氏だ。
2016/08/08
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仕入先を直後から支援(トヨタ自動車)
トヨタ自動車は4月18日から工場の稼働を段階的に停止し、完全復旧までに約1カ月半を要した。3.11以降、サプライチェーンを含めたBCP 体制を強化してきたが、いかに機能したのか? 同社の対応を振り返る。
2016/08/08
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現場対応力が機能(工務店① 株式会社アネシス)
台風を想定して災害対応力を強化してきたことで、熊本地震でも迅速に対応できた企業がある。熊本市内に本社を置く工務店だ。建設業や工務店のBCPは、災害発生時に自社の事業の継続・復旧を行うだけでなく、様々な社会インフラ設備や被災住宅の復旧に取り組むことが求められる。株式会社アネシス(熊本市東区)の地震後の対応を取材した。
2016/08/05
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「常に備えてきた」成果(富士フイルム九州)
建設時から布田川・日奈久断層の存在を把握し、さらに地震などの自然災害を想定して繰り返し訓練をしてきたことで熊本地震の被災から早期に復旧した工場がある。TACフィルムと呼ばれる、液晶ディスプレイの構成部材である偏光板の保護膜を生産する富士フイルム九州だ。
2016/08/01
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訓練で磨き上げた対応力(イオン)
国内小売業最大手のイオンは、熊本地震で店舗が使えなくなりながらも屋外駐車場などで販売を続けるとともに、イオン九州、マックスバリュ九州、イオン本社からの迅速な支援により、早期に店舗での営業を再開させた。自治体からの要請に対しても、これまで積み重ねてきた訓練の経験を生かし、震災直後から物資を被災地に送り届けた。
2016/08/01
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社員を守る、地域を守る(再春館製薬所)
熊本地震の震源地である益城町に本社を構える再春館製薬所は、震度7を記録した2度の地震により操業休止を余儀なくされた。「前震は大した揺れではなかったというようなことが言われますが、ここ(震源地)は十分以上に揺れています」(再春館製薬所執行役員経営企画室長の大庭博人氏)。
2016/08/01
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熊本地震 企業が危機を乗り超えた15のポイント
熊本地震における企業の対応から学ばされることは多い。過去の災害教訓を生かし、備蓄や訓練に力を入れてきた会社は、対応力の高さを見せつけた。地元の中小企業でも台風への備えを強化してきたことから、今回の地震でも迅速に対応できた会社はある。何が、なぜうまく対応できたのか、課題はなかったのか。これらを本社、現地の双方から取材・検証することで、BCPの見直すべき点を洗い出してみた。
2016/07/21
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IT-BCP実態アンケート 地震が最も大きな脅威
本誌では、組織の危機管理担当者らに対して、IT-BCPについて心配している脅威や現状の対策についてアンケート調査を実施した。その結果、情報システムを中断・停止させる災害・事故としては、地震を懸念する意見が最も多いことがわかった。一方、ここ3年程度で実際に組織の情報システムを停止・中断させた災害や事故は、「通信・ネットワーク障害」や「従業員や外部スタッフのオペレーションミス」が比較的に多いことが判明。
2016/06/28