政府は1月7日に1都3県を対象に2度目の緊急事態宣言を発令、13日には7府県を追加した。その後も新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからないとして、発令の要請を検討する自治体が増えている。経済社会のダメージが一層深刻化し、先行きも見通せないなかで企業の危機管理担当者がいま持つべき視点と取り組むべき対策は何か。感染リスクと事業継続リスクの側面から、専門家にリレーインタビュー。

企業はいま何をすべきか
ミネルヴァベリタス株式会社顧問/信州大学特任教授 本田茂樹氏

Q.緊急事態宣言の再発出をどうとらえているか?

東京都などに2度目の緊急事態宣言が発令(写真:写真AC)

緊急事態宣言が再発出されたというのは、医療のひっ迫の影響が大きい。入院調整が増え、病院も入れずホテル療養もできない人が増え、何としても感染者と重症者を減らさなければならないということであり、政府のいい方を借りれば、4月とは違ってより効果的・集中的に対策を実施するというのが今回のメッセージだ。

ワクチンや治療薬がない状況でできる対策は限られている。新型コロナは飛沫感染と接触感染が問題なのだから、まずは人と人との距離をとる。在宅勤務を増やすのはそのためで、出勤者数が減ればオフィス空間を広くとれるうえ接触機会を減らせる。

もし距離がとれないならマスクを着用し、手洗い、消毒、換気を徹底。だが、こうした方式ができないのが会食や接待の場面だ。会食や接待はマスクを外して会話するから、飛沫感染のリスクが高い。飲食店の営業時短要請はこのリスクを減らすため。ランチタイムであっても考え方は同じだ。

Q.人出が思ったより減っていない状況をどう見るか。

政府は出勤者数の7割削減をいっていて、接触回避の観点では正しい対策だと思うが、できる企業とできない企業がある。「エッセンシャルワーカー」と呼ばれる業種は接触回避のための在宅勤務も不可能で、そこは予防対策を講じながらやっていくしかない。

一方、エッセンシャルワーカーではないが、いわゆるDX化が進んでいなくて在宅勤務ができない企業もある。対人接触しなくてもできる業務でも、会社の仕組みや運用として体制整備ができていないために出勤せざるを得ないこともある。その辺りが、出勤者数が思ったより減らない要因になっているのではないか。