2025/10/28
防災・危機管理ニュース
サイバー攻撃に伴うアサヒグループホールディングス(GHD)のシステム障害は、29日に発生から1カ月を迎える。当初は受注・出荷業務の全面停止を余儀なくされ、その後、手作業による受注で生産を再開したものの、障害前の生産量には程遠い。システム復旧は見通せず、同社の業績悪化は避けられないばかりか、代替品の注文が殺到する同業各社の商品供給にも支障が生じている。
「ディズニーからビールが消えた」。今月中旬、千葉県浦安市の東京ディズニーランドを訪れた客からSNS上にビール不足を伝える投稿が相次いだ。運営会社オリエンタルランドによると、同園はキリンビールから供給を受けているが、アサヒの障害に伴うキリンの出荷調整の影響で一時、品薄になった。
キリンのほか、サントリーやサッポロビールはお歳暮用ビールの一部販売中止も決めた。いずれも代替品の供給に追われ、通年商品の供給を優先する必要があると判断した。
アサヒは主力商品「スーパードライ」の新デザイン缶や清涼飲料水、喉あめなどの発売を延期。アサヒ飲料のカルピスなど、ビール以外の商品が在庫切れに陥った販売店も少なくない。酒類卸の業界関係者は「飲食店向けのたる生ビールの入荷は回復しつつあるが、それ以外の在庫は不安な状況だ」と話す。
システム障害の原因は、身代金要求型コンピューターウイルス「ランサムウエア」による攻撃。近年、標的にされる企業が増えている。今月19日には、オフィス用品のネット通販などを手掛けるアスクルも同種の被害を受け、商品の受注を全面停止する事態に追い込まれた。
被害企業が被る損失について、サイバーセキュリティーに詳しいNTTデータグループの新井悠エグゼクティブ・セキュリティ・アナリストは、システム復旧費や進入経路の調査費、商品やサービスの供給が滞った関係先への補償など、多岐にわたると説明する。
〔写真説明〕アサヒグループ本社(中央)=東京都墨田区(EPA時事)
(ニュース提供元:時事通信社)

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