Q:ホテル不足に関連して、首都圏の企業への影響や対策はありますか?

夏休みは毎年恒例の大きなイベントがあるという企業や業界も多いでしょう。しかし2020年の大会期間中は、都内で開催予定されているイベントは開催場所やスケジュールを再検討する必要があるかもしれません。遠方から参加する人にとって、宿泊場所が見つからない、料金が高い等の不便をかけることになりますし、混雑が大きくなればイベント運営上も大きな支障をきたすかもしれません。

宿泊者が増えれば、公共交通機関や道路の混雑も予想されます。競技会場近くで大きな影響が予想されるエリアの企業に対しては、国からテレワークや時差出勤の要請があるかもしれません。それ以外の地域でも、五輪を契機に、今のうちから自主的に社内体制を整える企業が増えれば、テレワークが五輪のレガシーになるでしょう。

一方、ホテル業者にとっても、従業員の労務が過度に集中するリスクがあります。従業員を増やして平時よりも稼働率を高めて乗りきるという判断もありえますが、近年人手不足感が高まっており、従業員の確保ができるのかなど、ボトルネックになる要因がないかを再度確認すべきだと思います。

このほか宿泊施設含め周辺の小売・飲食・サービス事業者では、現地通貨に慣れない外国人旅行者の方への会計業務対応で混雑が心配されます。とくに期間中は熱中症対策の面で小まめな水補給が欠かせませんが、自動販売機では現金しか使えない場合もあります。小銭で購入する小さな買い物をキャッシュレス化することは旅行者にも販売者にもメリットがあると思います。日本で遅れている世界基準のキャッシュレス対応を、開催地東京から率先して導入してほしいですね。

通勤ラッシュ回避と東京2020の混雑対策のため、東京都が2017年から始めたキャンペーン「時差BIZ」のパンフレット(左)と、国内電子マネーに対応した自動販売機(右)。外国人旅行者向けにはさらに国際標準のスマホ決済への対応が求められる(出典:東京都公式サイト/Flickr)



(了)