2019/02/28
福祉と防災
今、目の前にあるリスク
図の赤丸は浜松市の福祉施設の所在地であり、青色は南海トラフの最大浸水想定地域です。浜松市ではL2想定で最大16mの津波が最短で22分後に押し寄せると想定されています。
それでは、この福祉施設の職員は大地震が発生した後、利用者をどのように避難誘導するのでしょうか。避難場所と避難支援方法を訓練しているでしょうか?時間を計って避難訓練をしているでしょうか?間に合わないと判断したときに、職員は任務を放棄して逃げてもいいのでしょうか?逃げる判断基準は明確に決まっているでしょうか?もし、それらができていなければ、想定通りの津波が来た場合、職員と利用者は共倒れになります。それが、東日本大震災の大きな教訓です。
福祉施設は、自力では避難が難しいたくさんの方々の支援を行っています。それだけに、施設職員は最大リスクを十分に認識し、そのリスクに備えた実効性ある避難計画と訓練をすることが不可欠です。そして、このことは多くの入院、通院患者がいる病院、障がい児が学んでいる特別支援学校、障がい者を雇用している企業などにとっても、同じことなのです。
(了)
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