避難所向け「レジリエンストイレ」を説明した伊藤氏

LIXILは7日、災害時に1Lの水で流せ、普段通りの感覚で使用できるINAX災害配慮トイレ「レジリエンストイレ」を4月1日から発売すると発表した。避難所となる公共施設を対象としており、地方自治体などへの販売を目指す。価格は18万円(税や設置費などは別)。

平常時は流すのに5Lの水を要するが、断水時にタンクのふたを開けて止めリングを外す切り替えを行うことで、1Lの水をタンクもしくは便器内に入れることで流すことができる。1Lであれば少量で運ぶのにも苦労しない水量で、プールなどでのくみ置きの水を活用できる。ハンドルを回すとバネの力で弁が開閉し、重力で汚物を排出する「強制開閉弁式」という方式を採用し、水の量を減らした。

災害時は避難所のトイレが断水などでいつも通り使えず、感染症や水分摂取を控えることによる健康面のリスクを引き起こす可能性がある。LIXIL WATER TECHNOLOGY JAPAN トイレ・洗面事業部衛陶開発部長の伊藤謙一氏は7日に東京都千代田区で行われた記者発表会で、「災害時にいつも通り使えることを目指した」と商品開発について語った。

1Lという少量の水でしっかりと下水道まで汚物を流せるよう、LIXILでは下水の配管設計についてポンプを使う「汚水循環方式」か、最上流から1時間ごとにバケツ3杯程度の水を補給する「手動給水方式」を推奨。地震では建物の下水管が破損している可能性があり、チェックしないでトイレの水を流すと汚水がもれるリスクもあるが、LIXILでは同製品は避難所となる耐震性の高い公共施設向けであり、住宅での使用は想定していないという。

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https://newsrelease.lixil.co.jp/news/2019/020_water_0307_01.html?_ga=2.49815974.1440548460.1551941960-1207514340.1551941960

(了)

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