2019/03/07
ニュープロダクツ

LIXILは7日、災害時に1Lの水で流せ、普段通りの感覚で使用できるINAX災害配慮トイレ「レジリエンストイレ」を4月1日から発売すると発表した。避難所となる公共施設を対象としており、地方自治体などへの販売を目指す。価格は18万円(税や設置費などは別)。
平常時は流すのに5Lの水を要するが、断水時にタンクのふたを開けて止めリングを外す切り替えを行うことで、1Lの水をタンクもしくは便器内に入れることで流すことができる。1Lであれば少量で運ぶのにも苦労しない水量で、プールなどでのくみ置きの水を活用できる。ハンドルを回すとバネの力で弁が開閉し、重力で汚物を排出する「強制開閉弁式」という方式を採用し、水の量を減らした。
災害時は避難所のトイレが断水などでいつも通り使えず、感染症や水分摂取を控えることによる健康面のリスクを引き起こす可能性がある。LIXIL WATER TECHNOLOGY JAPAN トイレ・洗面事業部衛陶開発部長の伊藤謙一氏は7日に東京都千代田区で行われた記者発表会で、「災害時にいつも通り使えることを目指した」と商品開発について語った。
1Lという少量の水でしっかりと下水道まで汚物を流せるよう、LIXILでは下水の配管設計についてポンプを使う「汚水循環方式」か、最上流から1時間ごとにバケツ3杯程度の水を補給する「手動給水方式」を推奨。地震では建物の下水管が破損している可能性があり、チェックしないでトイレの水を流すと汚水がもれるリスクもあるが、LIXILでは同製品は避難所となる耐震性の高い公共施設向けであり、住宅での使用は想定していないという。
■ニュースリリースはこちら
https://newsrelease.lixil.co.jp/news/2019/020_water_0307_01.html?_ga=2.49815974.1440548460.1551941960-1207514340.1551941960
(了)
防災・危機管理関連の新製品ニュースリリースは以下のメールアドレスにお送りください。risk-t@shinkenpress.co.jp
リスク対策.com:斯波 祐介
ニュープロダクツの他の記事
おすすめ記事
-
2度の大震災を乗り越えて生まれた防災文化
「ダンロップ」ブランドでタイヤ製造を手がける住友ゴム工業の本社と神戸工場は、兵庫県南部地震で経験のない揺れに襲われた。勤務中だった150人の従業員は全員無事に避難できたが、神戸工場が閉鎖に追い込まれる壊滅的な被害を受けた。30年の節目にあたる今年1月23日、同社は5年ぶりに阪神・淡路大震災の関連社内イベントを開催。次世代に経験と教訓を伝えた。
2025/02/19
-
阪神・淡路大震災30年「いま」に寄り添う <西宮市>
西宮震災記念碑公園では、犠牲者追悼之碑を前に手を合わせる人たちが続いていた。ときおり吹き付ける風と小雨の合間に青空が顔をのぞかせる寒空であっても、名前の刻まれた銘板を訪ねる人は、途切れることはなかった。
2025/02/19
-
阪神・淡路大震災30年語り継ぐ あの日
阪神・淡路大震災で、神戸市に次ぐ甚大な被害が発生した西宮市。1146人が亡くなり、6386人が負傷。6万棟以上の家屋が倒壊した。現在、兵庫県消防設備保守協会で事務局次長を務める長畑武司氏は、西宮市消防局に務め北夙川消防分署で小隊長として消火活動や救助活動に奔走したひとり。当時の経験と自衛消防組織に求めるものを聞いた。
2025/02/19
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/02/18
-
-
-
-
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方