2019/03/28
ニュープロダクツ
三菱地所と立命館大学は28日、ロボット活用を主とした「戦略的DX(デジタルトランスフォーメーション)パートナーシップ協定」を締結した。警備や清掃、運搬など幅広いロボット活用に関する実験を立命館大学のキャンパスで実施。東京オリンピック・パラリンピックの行われる2020年には本格的に三菱地所の所有・管理するビルでも活用を行っていく方針。
三菱地所では働き方改革など社会課題の解決や環境変化への対応へ、デジタルテクノロジーを活用したビジネスモデル革新を推進している。同社の物件で既に警備や清掃、運搬のロボット活用の実証実験を行っているほか、自律移動型警備ロボットの開発を行うSEQSENSE(シークセンス)社に5億円を出資。ALSOKが大手町・丸の内・有楽町エリアの三菱地所のビル警備にシークセンス社のロボットを使用している。
立命館大学は2030年を見据えた「学園ビジョンR2030」の中で未来社会を描くキャンパス創造を掲げている。28日に東京都千代田区の三菱地所本社で行われた締結式において学校法人立命館総長で立命館大学長の仲谷善雄氏は「キャンパスをモデルフィールドとし、実験を行う。ロボットも社会実装につなげたい」と説明。滋賀県草津市にあるびわこ・くさつキャンパスや、大阪府茨木市にある大阪いばらきキャンパスで清掃や警備、運搬のロボットのほか、多言語対応のコミュニケーションロボットも使用し、実験を行う。この結果を三菱地所のロボット活用に生かしていく。
三菱地所では自社施設での実証実験をフェーズ1、そして立命館大学との協定締結とキャンパスでの取り組みをフェーズ2に位置付け。フェーズ3が事業展開となる。吉田淳一社長は「五輪も近く、警備のあり方にも役立てればと思う。2020年には成果を感じてもらえるようにしたい」と述べ、2019年度にもロボット活用の事業展開を何かできるようにとの意欲を示した。
三菱地所と立命館大学は経済産業省ロボット政策室とも協議しており、この取り組みを産官学で連携して進めるほか、警備や清掃など複数のロボットが連携し効率的な作業が行える仕組みづくり、人間が抵抗なくロボットと共存できる社会などについても研究を進める。
■ニュースリリースはこちら
http://www.mec.co.jp/j/news/archives/mec190328%E2%80%97ritsumeikan.pdf
(了)
防災・危機管理関連の新製品ニュースリリースは以下のメールアドレスにお送りください。risk-t@shinkenpress.co.jp
リスク対策.com:斯波 祐介
ニュープロダクツの他の記事
おすすめ記事
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!【2024年4月23日配信アーカイブ】
【4月23日配信で取り上げた話題】今週の注目ニュースざっとタイトル振り返り/特集:南海トラフ地震臨時情報を想定した訓練手法
2024/04/23
-
-
-
2023年防災・BCP・リスクマネジメント事例集【永久保存版】
リスク対策.comは、PDF媒体「月刊BCPリーダーズ」2023年1月号~12月号に掲載した企業事例記事を抜粋し、テーマ別にまとめました。合計16社の取り組みを読むことができます。さまざまな業種・規模の企業事例は、防災・BCP、リスクマネジメントの実践イメージをつかむうえで有効。自社の学びや振り返り、改善にお役立てください。
2024/04/22
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!【2024年4月16日配信アーカイブ】
【4月16日配信で取り上げた話題】今週の注目ニュースざっとタイトル振り返り/特集:熊本地震におけるBCP
2024/04/16
-
調達先の分散化で製造停止を回避
2018年の西日本豪雨で甚大な被害を受けた岡山県倉敷市真備町。オフィス家具を製造するホリグチは真備町内でも高台に立地するため、工場と事務所は無事だった。しかし通信と物流がストップ。事業を続けるため工夫を重ねた。その後、被災経験から保険を見直し、調達先も分散化。おかげで2023年5月には調達先で事故が起き仕入れがストップするも、代替先からの仕入れで解決した。
2024/04/16
-
工場が吹き飛ぶ爆発被害からの再起動
2018年の西日本豪雨で隣接するアルミ工場が爆発し、施設の一部が吹き飛ぶなど壊滅的な被害を受けた川上鉄工所。新たな設備の調達に苦労するも、8カ月後に工場の再稼働を果たす。その後、BCPの策定に取り組んだ。事業継続で最大の障害は金属の加温設備。浸水したら工場はストップする。同社は対策に動き出している。
2024/04/15
-
動きやすい対策本部のディテールを随所に
1971年にから、、50年以上にわたり首都圏の流通を支えてきた東京流通センター。物流の要としての機能だけではなく、オフィスビルやイベントホールも備える。2017年、2023年には免震装置を導入した最新の物流ビルを竣工。同社は防災対策だけではなく、BCMにも力を入れている。
2024/04/12
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方